第7話 ウサギは強敵だった
ウサギと相対してからもう少しで5分に差し掛かる。
「正直少し疲れたんだけど……。」
このデカいウサギは今のところ突進しかしてこないので、安全に立ち回れば問題なく攻撃を避けることが出来ている。
だが思っているよりもスタミナの消耗が激しい。
疲れで足が動かなくなる前にこの状況を何とかしたい。
「どこかで賭けに出るしかないよな。倒す方法としては絞め技か首を折るかだな。」
ひたすらウサギの突進を回避しながらも有効と言える攻撃を考えた結果、導き出した結論がこれである。
「突進後に手が届く範囲にいた場合、あのデカい耳を掴む。耳を掴んで持ち上げれば首に腕を回しやすいんじゃないかな?噛まれる危険性はあるけど、そこは賭けるしかないな。絞め殺せるかは分からないから、首の骨を圧し折ることを第一目標にしよう。」
その後何度か突進を避け、ついにその時が来た。
「イヤッホー!うさ耳だー!」
思いっきり耳を掴み、そのまま持ち上げる。
ウサギは激しく抵抗しているが、地味にSTRをあげた影響で力が強いのか問題なく頭を持ち上げることが出来た。
一つ誤算だったのは、意外とウサギの首が太く、片腕で首を絞めても絞め殺すことは出来そうにないことだった。
耳を引っ張り顎をあげさせ、顎の下に腕を回す。
「腕力だけで首を折るのは無理だな、体重をかけて首をねじるように……」
ゴキッ!っという音が聞え、ウサギから力が抜けていくのが分かった。
念のためしばらくは首を締めたままじっとしていたが。ウサギはやがて完全に動かなくなった。
「ステータスは……。」
____________
Lv.2(80%)
・HP(体力):4/10
・MP(魔力):10/10
・STR(筋力):12
・MAG(超感覚):10
・SEN(器用さ):10
・COG(認識力):10
・INT(知力):10
・LUC(運):10
SP.0
スキル
・ステータス割り振り
____________
「経験値は入ってないのか。スライムみたいに核があるのかな?」
今はとにかく疲れていた。HPが4まで減っている。
「レベルが上がったらステータスを体力にも振り分けないとツライなぁ……。」
ウサギの死体の傍ら平原に一人座り込み、しみじみとつぶやくのであった。
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