第4話 初めての経験値

歩き始めてから1分ほどで新しいスライムを発見することが出来た。


「今度は近い距離で倒してみよう。棒で殴っても倒せるかな?」


とりあえず3mほどの距離まで近づいたところで、スライムに反応があった。

激しく上下にプルプルし始めたのだ。可愛い。


「ここまで近づいたら反応するのか。」


スライムの攻撃といえば体当たりくらいしか思い浮かばないけど、魔法とか使うのかな?

魔法に関しては対処法が分からないけど、即死はきっとしないだろう。

すり足で慎重にスライムとの距離を詰め、2mくらいまで近づいたところで棒でスライムを突いてみる。

プニプニで軽く突く程度では何の問題も無いようだ。

プルプルプルプルプルプルプルプル……ザッ!


「ウゴッ!」


スライムの体当たり、躱しきれず右わき腹にいいのを貰ったので一旦距離を取る。


「予備動作が分からないなこれ。ダメージとしてはサッカーボールをぶつけられた程度だし、気にしなくてもいいかな?」


急所と顔面以外なら当たっても気にしなくていいだろう。

いや、ゲーム的にはHPが減ったらゲームオーバー(死亡)なのかな?

____________


Lv.1(0%)

・HP(体力):10/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):10

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


「HP減ってないじゃん!一応痛かったよ!なんでノーダメージなんだよ!」


あの程度ならダメージに入らないのか?

まぁ、10分の1もダメージをくらったとは思えないけど、ゲーム的にはダメージを受けたと思うんだけどなぁ。

現実だからゲームみたいに当たれば確定ダメージって訳じゃないのかな?


「とりあえず棒で軽く突く程度じゃスライムは倒せないっぽいし、刺さるくらいの力で突くかな?少し大きめの石で殴りかかる方が確実に倒せそうだけど、重い物持ったら動きが鈍りそうだからなぁ。体当たりしてくるみたいだし、とりあえず全力で突いてみるか。」


槍とか使ったことないので、どう動くべきかを想像する。


(ヤンデレ妹が走ってきて、わき腹に出刃包丁を突き刺すイメージで……)


結構精神的に余裕があるのだった。

実際にはスライムが相手なので上からぶっ刺した。

棒が刺さったスライムは丸い形を保てず、後にはベチョベチョとスライムの核と思われる小さな石が残されたのだった。


「さてさて、経験値は……?」

____________


Lv.1(0%)

・HP(体力):10/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):10

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


「……変わってない。スライムはモンスターじゃないのかな?それともプルプルからベチョベチョになっても死んでないとか?」


ベチョベチョをしばらく観察してみるが、どう見ても死んでいる。


「スライム以外のモンスターを倒してみないと分からないな。もう少し移動するか。」


そうして歩きだしてすぐ、また新たなスライムを見つけたのだった。最早なにも言わず、近くにあった大きめの石を放り投げるように投げ、スライムを圧殺するのであった。


「経験値は……経験値が入ってる!?」

____________


Lv.1(25%)

・HP(体力):10/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):10

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


一応確認のつもりでステータス見たところ、0%から25%まで増えているのであった。


「……なんでだ?さっきまでのスライムと違うスライムだった?全然分かんなかったけど。」


確認の為に投げた石を移動させ、スライムの残骸を確認してみる。


「今まで通りドロドロのベチョベチョだけど……石が、ない?」


そこにはスライムの核と思われる小さな石はなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る