第3話 スライム

それは穏やかな川辺に堂々と鎮座していた。

透き通るような丸い体……としか言いようがないスライムっぽい生き物。

たぶん生き物、だってプルプル動いてるし。

辺りを見渡した感じその1匹しかいないようだ。


「目玉はないけど、ゲームにおける典型的なスライムだなぁ。」


丸くてプルプルである。

これがベチャベチャのドロドロだったら近づこうと思わないだろう。


「強い弱いはともかく、スライムって倒してもいいのかな?作品によってはゴミとかを食べてくれる便利な生き物扱いだったけど。」


そんなことを口にしながらも本心は倒す気満々である。

今はとにかく経験値が欲しいのだ。

一番の問題こそスライムの強さである。


「とりあえず石を投げてみるか。コントロールには自信がないんだけど、とりあえず当たるまで全力で投げてみよう。」


10mくらいの距離から野球ボールほどの石を全力で投げてみるが、スライムの30cmほど横の位置に外してしまった。

スライムは特に動きを見せない。

動かないので二投目を投げたところ今度は見事に命中した。

石はスライムの体を半分近く吹き飛ばし、あとにはベチャベチャのスライムだった物が残された。


「倒せたっぽいけど、死体はちゃんと残るんだな。ゲームみたいにアイテムドロップじゃないなら、モンスターによっては剥ぎ取りとかもしないといけないのかな?あ、死骸の中になんかある。石?スライムの核かな?」


木の棒でスライムの亡骸を持ち上げ、恐る恐る石を取り出す。

ちょっとベチョっとしていたので川で手と一緒に洗ってみる。


「普通の石ころとなんか違うけど、正直よくわかんないなぁ。そういえば、経験値はどうだったのかな?」


____________


Lv.1(0%)

・HP(体力):10/10

・MP(魔力):10/10

・STR(筋力):10

・MAG(超感覚):10

・SEN(器用さ):10

・COG(認識力):10

・INT(知力):10

・LUC(運):10

SP.0


スキル

・ステータス割り振り

____________


一切変わっていなかった。


「なんでだよ!Lv.1の横の0%は経験値じゃなかったのかな?倒し方が悪かったとか?遠くから倒したからかな?とりあえずもう一匹探すか。」


そう言って川沿いを下流に向かって進み始めるのであった。

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