8

蛇は未だに俺の中にいる


腹の中に住み着いた蛇は身体中を食い漁り、

肥えた蛇で俺の全身は圧迫された


俺の脳も手も足も胸も腹も苦しい


ああ、あそこから出なければよかったかもしれない


出なければ誰からも何も言われないから

蛇も暴れなかったろうに


もう遅い


あの場所は俺の居場所ではなくなったし、

蛇を取り除いてくれるような人もいない


挙句自ら死ぬことも選ばなかった


曖昧でぐちゃぐちゃ


顔がドロドロと溶けていく


目玉も髪も口も無くなっていく


いつか全身が溶けていくだろう


あぁ


あーあー、あーあー、あーあー






何もなくなった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る