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暑いと思いきやクーラーガンガンでむしろ寒いくらいの店内

しかしカウンターで必死にラーメンを作っている店員は玉のような汗をかいている

16時と微妙な時間のためか店には俺たちしかいなかった。

「いふぁーこれふぁふふぁいでふねー」

こんな豪快にラーメンを食べる天使はどこ探してもこいつだけだろう。たぶん。

「ごっくん。それで?会社どうでしたか?」

飲み込んだ後間髪入れずに喋り出したので

すこし面食らったが俺はすぐに返答した。

「まあ、いつも通りたっぷり怒られたよ」

「気にしない気にしない!そんな日もありますって!」

「それを言うと、俺は毎日そんな日になるんだけど」

「そんな楽しくない仕事の話は置いといてラーメン食べちゃいましょ!伸びちゃいますよ!」

「仕事の話持ち出したのはお前だろうが」

「チャーシュー残ってますよ、しょうがないなあ私が食べてあげますって」

「誰が渡すかっ!」

そうやって下らないやりとりを続けていた。

こんな風に人と話すのは久しぶりだった。

上京してからまともな友達なんて出来なかったし、何をするのも一人だった。寂しかったが気楽だったし、その点についてはなんの不満もなかった。

だから誰かとラーメンを食べに行くのがこんなに楽しいとは思わなかった。

ただ食べに行く相手が天使になるとは思いもしなかったけど、俺にはそんなの些細な問題でしかなかった。

「すみませーんラーメンもう一杯」

「まだ食べるのかよ」

「食べるときは腹十分まで食べるタイプなんです」

「二残しとけよ」

「腹に隙間を開けるほど私は甘くないですよとことん食べます」

「苦しくなっても知らんぞ」

そんな感じで時間は過ぎていった。

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