第5話 深い谷間の幻想的な命の乱舞

幼馴染みに高千穂旅行に誘われて旅行に来たんだけど、現地での幼馴染みとの待ち合わせに、電車で寝て、降りた駅で寝て、目が覚めたら大遅刻。

幼馴染みは激怒しているのか、ケータイの電源が切れていて、連絡付かず。

仕方が無いから、昨日と今日の午前中は、簡単に延岡観光をして、午後から目的地の高千穂観光。

天岩戸神社あまのいわとじんじゃにお参りに行き、天岩戸温泉で湯に浸かり英気を養い、道の駅で軽く高千穂牛の串焼を食べたり買い物したりした後、JA直営のレストランで、名物の超グルメな高千穂牛のステーキを堪能した。

うん。本当に宮崎ってグルメ大国だ!


食事を済ませたので、今から観光スポットの【高千穂峡】に行って、【ホタルの鑑賞】をしようと思っている。


「俺 ホタルを観るの初めてなんだよな♪」


そこは、凄い急坂の下の渓谷だった。

渓谷とは言っても、観光スポットになっている辺りは、川の流れも緩やかになっていて、昼間ならボートにも乗れるらしい。


「うわぁ・・・・・・」


素で感動した乙女の様に声が出てしまった。

虫なのに、人気なのが解る。

凄く幻想的だ。

動かず止まっているホタルもきれいだが、ふわふわと舞うホタルは、本当に美しく感動する。

しかも、沢山のホタルが舞い飛んでいるのだから、素晴らしい!

これ、絶対に都会じゃ味わえない感動じゃん!!

都会の夜景なんて、この美しさに較べたら・・・・・・


高く舞うホタルもいれば、直ぐ近くを舞うホタルもいる。

ふわふわと・・・・・・穏やかに・・・・・・

楽しげでいて、それでいて淋しい感じで、儚げに仄かに光る。

その薄緑色の光は、神々しささえも感じさせる。

人智の及ばぬ者の意思さえも感じる美しさだ。


しかし、やはりホタルの舞う田舎だな。

この時間になると、お店もコンビニ位しか無い。

そこが良いんだけどね。賑やかな所が良いのなら、都会の観光地に行けば良い。

ここは時間がゆったり進む、そんな神の郷なんだから。

まあ、ファミリーレストランとか有るけど、ご飯は食べたし、明日の観光の為に、早目に宿で休もうかな。


で、あいつはどこに行ったんだろう?


今日 回ったのは、高千穂でもメジャーな方の観光スポットだ。

まあ、それでも偶然に会うのは難しいのかな?

明後日には帰らなきゃならないんだけどなぁ・・・・・・


明日も観光しながら探すかな・・・・・・


あ、一応 あいつの家に電話して、連絡がないか聞くか・・・・・・


そんなに怒らなくても良いと思うんだけど・・・・・・

って、流石に朝の待ち合わせに現れなくて、夕方になっても連絡無しじゃ怒るか・・・・・・



うん。あいつと合流したら土下座して謝ろう!!

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