指紋の謎
佐々木刑事の目に飛び込んできた毒物が入っていたと思われる袋についていた指紋の主の調査結果の文字が驚きしか感じられなかった。被害者の指紋が出てくるとは思わなかったのだ。葛西係長も同じように思っているのか、顔は少し強張っている。部屋に響くのは掛け時計の秒針の音くらいだ。
その空気を破ったのはアンモニアを詰めた袋を持ってきた人が表れたように訪れた。そこに表れたのは嘉実だった。声が発せられた訳ではないが、確実に空気が壊れた。葛西係長が会話を
「わざわざお越しいただいてありがとうございます。」
と始めた。それに応答して嘉実が
「警察の捜査状況を知りたくて伺いました。」
と言った。葛西係長は手に持っていたファイルを開いて、
「実際は捜査状況を警察関係者以外に教えるのは禁止になっているのですが、捜査に協力していただいていて潔白が証明されているので特別にお見せしましょう。」
と言い一枚の紙を見せた。その紙には捜査員の極限られた人しか知らない毒物が入っていたと思われる袋についていた指紋について書いてあった。それを見て嘉実は
「有佐ちゃんの指紋が検出されたんですよね…。」
と黙ってから
「あの袋をよく使っていたのは
と言った。佐々木刑事はそれに対して
「もし犯人が被害者の触った袋を利用して我々警察の目を向けさせないようにした、可能性ありますね。」
と葛西係長に言った。葛西係長はそれに頷き、
「貴重な情報をありがとうございます。早期犯人逮捕に向けて頑張りますのでご協力お願いします。」
と嘉実に言った。
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