新しいキー
三人の話を聞き終え、その三人を怪しい人物の分類に入れた佐々木刑事と葛西係長は一時警視庁に戻った。三人の話をまとめると被害者の
佐々木刑事は警視庁で劇団員の履歴書などの個人情報を調べていた。捜査本部の筋としては劇団員の中でも役者の中に犯人がいるのではないかとみている。そのために佐々木刑事は個人情報に目を通しているのだ。佐々木刑事が気になる人物はこれと言っていないが、やはりあの三人にはしっくりこない。犯人の最有力候補はやはり輓馬だ。経歴からして劇団の顔ともいえる存在だが、近年若い世代に取られて来ている。その若い世代の中に驇織が含まれているのだ。しかも驇織の成長は他のものと比べ物にならないほど早く、ここ五回は驇織が主演またはヒロインを演じており輓馬の恨みを買ってもおかしくない。
「佐々木君、これを見てくれ。」
葛西係長が佐々木刑事に近づきながら言った。葛西係長が持っていたのは科捜研から回ってくる調査結果が記されている紙だ。そこにはホールから発見された毒物が入っていたと思われる袋の指紋について書いてあった。「一致」の文字の隣に書いてあったのは驇織有佐だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます