番外編 アメリカっぽい急展開

小学五年生の夏、現地校で起きたこと。


朝、私はロッカーで午前授業の準備をしていた。


必要なものを取り出し、扉を閉めて南京錠をかける。すると同じクラスの友達、ハナが来て声をかけてくれた。



「おはよう、くるみ!一緒に行こ!」



いつも通り一緒に教室へと向かう。

すると男子三人組が、楽しく話しながら横を通り過ぎていった。


突然一人が振り返る。



「ハナ!おはよ!俺さ、君のこと好きなんだ。付き合お?」



え……今!?



驚いてハナを見ると、彼女が頬に手を当ててキャーキャー騒いでいる。



「ええ!もちろんいいよ!」



え、即決!?



「ホント!?よっしゃ!んじゃ、またお昼に会お!」


「うん!またね!」



こうしてそれぞれ教室に向かった。



「ハナ、あの子のこと好きだったの!?」


「いや、別に?でもこれから好きになるよ!」



唖然とした私。


ノリが軽すぎる。


だが本人が良ければそれでいいと思った。



お昼休みになり、カフェテリアで昼食を取ってからプレイグラウンドへと向かう。


ハナとハナの彼氏が、木陰に並んで座る。

まるで数ヶ月経ったラブラブカップルのようだった。先生が近くにいるにも関わらず、同等とキスをする。



これが普通なのかな……。



午後の授業が終わり、教室を出てロッカーへと教材を直しに行く。


すると突然怒鳴り声が廊下中に響いた。



ハナの声……!?



急いで現場に向かうと、ハナとハナの彼氏が大声で怒鳴り合っていた。



「もういいわ!あんたとは二度と話さないんだから!もうこっち見ないで!さよなら!」



ドタドタ歩きでその場を去るハナ。

私は慌てて追いかける。


スクールバスで隣の席に座り、事情を聞いてみる。

どうやら他の女子と親しげに話していたため、頭ごなしに怒ってしまったようだ。


少し涙を流す彼女を私は慰めた。ただし、彼女は怒ったことに関して、全く後悔していなかった。



――次の日


朝登校すると、ロッカー前でハナが楽しそうに誰かと喋っていた。


よく見ると、相手は元カレだった。



え……!?どういうこと!?



後になってどんな流れで仲直りしたのか、ハナに聞いてみる。



「そうね、すごい喧嘩してたわ。仲直り?別にお互い謝ってないよ。でも、もめたのは昨日の話でしょ?」



空いた口が塞がらない。


私の心配は、いったいなんだったんだ。



朝に付き合ってその日に別れ、次の日に自然と仲直り。


そういや別の友達も女子同士で盛大に喧嘩して、次の日には自然と喋ってたな……。


切り替えが早すぎる……。



―――

アメリカの小学生は、自由奔放な子が多かった気がします。


恋愛に対してもおませさんが多めなのですが、最近は日本でもそういった子がいる?みたいですね。


ちなみにアメリカにももちろん、慎重な子がいます。ただ日本よりは、割合的に少ないかなと……。

とにかく、心配して損しました。笑

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