第2話 机の中から大量に……!?

アメリカの現地校に通い始めて、もうすぐ半年が経とうとしている。


今日は、バレンタインデーのパーティ!

すごく楽しみ!


クラス会で各生徒が何を準備するかは、事前に決めていた。

ファミリーパックのお菓子、ケーキ類、ジュース、紙皿や紙コップなど。


私は一番楽そうなファミリーパックのお菓子を選んだ。

ホームルームが始まるまで、一旦机の中に隠そうとするが、なかなか入らない。


「あれ?なんで?教科書は置いてたけど、左半分が空いてるはずなのに……」


一旦お菓子を机の上に置き、手を伸ばして中を探るとパンパン状態で何かがガサガサ言っている。


「え!?……何!?」


友達の机にお菓子を置かせてもらい、自分の机後ろをあげて一気に手前へ傾ける。


バサバサバサ――ッ!


教科書と大量の赤い厚紙が流れ落ちてきた。

一瞬で私の足元周辺を埋め尽くす。


予想外の展開にびっくりして、ドキドキしている。


一枚拾って開くと、ハート型をしていた。


中に文字が書かれている。


「I ♡ U」



全く同じ紙が、30枚ぐらい落ちていた。


隣の席の友達も驚いていて、辺りを見渡す。

遠くの席で中国人ハーフの男の子が、そわそわしていた。

目があった瞬間、彼はぱっちりお目々で私に向かって何回もウィンクをしてくる。


その後、彼はすごく満足そうで清々しい笑顔をしていた。


―――

正直、あの時ドキドキしたよ。

驚きと恐怖で。

あの後、捨てるの大変やったんやぞ。

謝れ!!


〜完〜

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