ちょっと変わった読み切り恋愛エピソード

遥香

第1話 兄の一言であっけなく終了

「あ!バッタそこにいる!早く早く!蝶々も飛んでるよ!」


小学2年生になった私は、近所に住む同じクラスの男の子と虫取りをしていた。


「やった!取れたね!」


お互いすごく楽しそうに時間を過ごす。


「ゆいとくん、私ね、明後日アメリカに引っ越しちゃうの。寂しいけど、明日も一緒に虫取りしようね!またね、バイバイ!」


家に帰宅して、泣きながら私は母に言う。


「ゆいとくんのこと好きやったのに……寂しいよー……」


母に慰めてもらっている間、後ろにいた兄と目があったが、全く気にならなかった。



――次の日


弟くんと虫取りをするゆいとくん発見!

近寄ろうとした瞬間、兄が先に目の前を走っていく。

兄は、ゆいとくんに大声で話しかけた。


「ゆいとー!くるみお前のこと好きらしいぞ!!」


ゆいとくんが振り返った瞬間、私は赤面しながら全力疾走で家に逃げる。案の定、号泣。


そのままお別れの挨拶をすることもなく、日本を発った。


―――

おい兄貴。

あの日のこと、いまだに許してへんからな。反省しやがれ。


〜完〜

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