2024年6月23日

 「沖縄」と聞いた時、あなたは何を思い浮かべるだろうか。青く透き通る空や海、カラフルな生き物たち、独特な琉球文化……、恐らく多くの方が思い浮かべたのは、そんな明るいイメージのあるものではないだろうか。だが、この島には忘れられない、忘れてはならない暗い過去があることを、今日だけでも意識して欲しい。


 今年もまた、慰霊の日がやってきた。


 県民の1/3が亡くなったと言われる沖縄戦が終わってから、79回目の6月23日。きっと多くの人にとっては、何の変哲も無いただの日曜日だろうと思う。しかし、6月23日は、沖縄にとっては特別な一日なのだ。


 今から79年前、沖縄は戦火に包まれた。史上最悪とも言われる地上戦が繰り広げられ、20万を超える人々が亡くなった。今でも、糸満にある「平和の礎」には、戦争で亡くなった方々の名前が新たに刻まれ続けている。今なお、名前さえ分からなくなってしまった犠牲者さえ居る。今では戦争の傷がすっかり癒えたように見えるこの島には、至る所に米軍基地が残されていて、不発弾処理の情報はもはや当たり前のように新聞に小さく載る程度にしか取り上げられない。戦争の爪痕は、今でもはっきりとこの島に残っている。


私は県外に出てから、この「慰霊の日」の認知度の低さに驚いた。普段の生活では、ほんの少しの話題にさえならないし、あえて話を振ってみても「そんなのがあるんだ、初めて聞いた」という反応がほとんどである。米軍基地関連や沖縄戦の話になることがあっても、本土ではほとんど認知されていないと感じている。戦争が残していったもの、そして今なお引き摺り続けている沖縄の問題は、本土の(内地の)人間には他人事なのだということを痛感させられることが多い。だから、今の自分にできることはほとんど無いかもしれないけれど、せめてこういうことを発信していくことで、「慰霊の日」をきっかけに沖縄が抱える諸問題や平和について、考えるきっかけ作りができたら良いなと思う。


世界に目を向ければ、これを書いている今この瞬間にも、戦禍に居て明日の生活がどうなるか分からない人々がたくさん居る。脅かされている命がたくさんある。日本に暮らす我々がそのことを意識する瞬間はなかなか無いけれど、でも戦争をしているのは隣国で、さらに言えば戦争の火種はそこかしこで燻っている。戦争が人類に幸福をもたらすことはあり得ない。人類の叡智は、人を殺めるためではなく人類を幸福にするために使われるべきである。綺麗事でしかないことは承知の上で、それでも私はどんなことがあったとしても戦争を是とする動きには異を唱えたい。戦争には、断固として反対する。


2024年6月23日、沖縄慰霊の日。せめて今日だけでも、沖縄の抱える暗いあれこれや平和について、考えてみませんか。

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6月23日  RURI @RURI-chrysipteracyanea

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