2023年6月23日

きっと多くの人にとって、今日はただの木曜日。何の変哲も無い、普通の平日だろう。

だが、沖縄の人々にとっては、今日は特別な日なのだ。


沖縄戦の終戦から、78年。

今年もまた、慰霊の日がやってきた。


美しい自然が広がり、特有の文化を育んできた沖縄は、かつて凄惨な戦争の舞台となった。太平洋戦争の末期、地上戦の舞台となってしまった沖縄では、県民の3人に1人が亡くなったとも言われるほどの被害を出した。今でも平和の礎には、新たに判明した犠牲者の名前が刻まれ続けている。一家全滅したことで、名前さえも分からなくなってしまった方々も少なくなく、どれだけの数の人が亡くなったのかを正確に知る術はもはや無い。


今でも沖縄には、広大な米軍基地が残されている。ガマや防空壕の跡、いしじはあちこちにあるし、不発弾が見つかることもそう珍しいことではない。観光地として取り上げられることの多いこの島は、実は戦争の跡を色濃く残す場所でもあるのだ。美しい自然、特有の文化を持つこの島は、悲しい歴史も持っているのだということを、せめて今日くらいは思い出して欲しい。


世界では戦争が勃発し、もはや戦争が過去のものではなくなってしまった。

悲惨な戦争が、今、この瞬間にも人々の命を脅かしている。


今、我々にも戦争が近付いてきてはいないだろうか?


死んでいった多くの御霊に祈りを捧げると共に、戦争を肯定する動きに全力で抗おう。時間が経ったからといって、忘れ去られて良いものではない。我々は戦争を経験していない世代だ。だが、後世にこの記憶を、しっかりと受け継いでいかなければならない。


2023年6月23日、慰霊の日。この特別な日に、南の島に思いを馳せよう。

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