2022年6月23日

 今年もこの日がやってきた。多くの方にとってははきっと、仕事や学校に行ったり、家事をしたりと、「普通の木曜日」を過ごしていることだろう。


 だけど、今日は沖縄にとって、忘れてはならない大切な日である。


 6月23日、慰霊の日。事実上、沖縄戦が終わったこの日は、先の大戦で激戦地となった冲縄では、亡くなった数多の御霊に祈りを捧げると共に、今後の平和を願う日なのだ。


 6月23日、この慰霊の日を、どれだけの方が認識し、意識しているだろうか。

 この美ら島が焼け野原と化し、人口の3分の1が亡くなったという激戦が終わってから、ちょうど77年。


 今や沖縄は、独特な琉球文化や素晴らしい自然を観光地として、多くの人には認識されていることと思う。だが、今日だけでも、南の島が持つ違った側面にも目を向けて欲しい。


 今でも、多くの米軍基地がこの島には残されている。(基地云々について言いたいのではなく、あくまで戦争の記憶・名残を今なお思わせるものとして取り上げることを断っておく)。割と当たり前のように、この島のどこかで不発弾処理が行われる。あちこちに、慰霊のいしじが建てられているし、戦争の記憶を語り継ぐガマ(自然壕のこと)や戦跡はあちこちに残されている。


 戦争の足音が、近付いてきている。


 今年、世界ではまた戦争が起こってしまった。


 戦争は、沢山の犠牲と悲劇を生む、とんでもなく残酷なものである。


 戦争に苦しんだ先人たちの叫びを、我々は忘れてはいないだろうか。

 凄惨な歴史を、また繰り返そうとしてはいないだろうか。


 理想論だけでどうこうなるものではないと言えども、平和を、戦争の無い世界を希求することをやめることは絶対にしたくない。きっと自分は、戦争を体験した方の生の声を聞いた最後の方の世代になるのだろうから、その想いをまた次の世代へと繋いでいかねばならないと思うのだ。


2022年、6月23日。今起こってしまっている戦争が早く終わることを願って。この世界から、戦争というものが無くなることを願って。


HEIWAの鐘が、この世界の全員の胸に響く日が来ますように。

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