6月23日 

RURI

2021年6月23日

 2021年6月23日。恐らく、多くの人にとって、今日は単なる平日だろうと思う。水曜日で丁度週のど真ん中、休みまであと何日かと数え出す頃ではなかろうか。


 だけど、47の都道府県のたった1つだけ、今日が祝日の県がある。沖縄県だ。


 沖縄、と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、青い海や空、白い砂浜、あるいは赤瓦の民家や独特の琉球文化ではないだろうか。自然遺産への登録勧告が出たというタイムリーな話題から、やんばるの自然を思い出す人もいるかもしれない。が、今日はこの島が抱える、忘れてはならない記憶のことも考えて欲しい。


 6月23日は、沖縄戦が終わった日。今年もまた、慰霊の日がやって来た。


「最悪の地上戦」とも言われる、沖縄戦。かつてこの島では、県民の3人に1人が亡くなるほどの凄惨な地上戦があった。軍人はもちろん、民間人までもが戦争に巻き込まれ、命を落とした。今でも毎年、糸満にある平和の礎には、新しく判明した戦争で亡くなった方々の名前が刻まれ続けている。


 今でも、あちこちから不発弾が見つかる。あちこちにある基地、空を飛び交う米軍機。残されている壕やガマなんかも含め、日本に復帰した今もなお、その記憶を思い起こすものはいくらでもある。


 今年で戦後76年。戦争から時間が経つにつれてその爪跡は薄れ、戦争を知る世代も減ってきている。恐らく今を生きる我々は、戦争を直に体験した世代から直接その話を聞ける最後の世代であろう。


 コロナが蔓延るこのご時世、なかなか余裕のない人も多かろうと思う。でも、この慰霊の日くらいは、少しこのことを考えてみませんか。

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