即興小説の書き方2
過程を書くには、自分の書きやすいものを決めましょう。
会話、ギャグ、シチュエーションなど、なんでもアリです。
基本的には、自分がよく読んでる作品に影響されると思います。自分は村上春樹の小説やエッセイに影響されます。
過程は全てが面白い必要はありません。試しに、自分の好きな短編小説の好きな部分に線を引いて下さい。たぶん、ほとんど引かれないと思います。
重要なのはキーフレーズです。「読者の心に残る一文」や「一場面」です。それは印象的な描写だったり、キャラクターの仕草だったりします。
僕の場合は村上春樹の文章から描写のエッセンスを抽出してます。好きな文章をみたらメモアプリに吹き込んで、時間の空いたときにまとめてみると、共通した特徴が浮かび上がります。その特徴を使うのです。
よく使うのは「何もないが、あるのよ」です(よつばと!に出てくる台詞です)。目に見えないものについて書くと、文学っぽくなります。
例になる文章を、拙著「お題:不本意な手」の冒頭から引いてみます。
「自分の向かう先に何があるのか忘れてしまったようなパラボラアンテナ」
「まるで体の一部が車庫になったみたいだった。もう戻らないはずの車を、いつまでも待ち続けている」
ないものを具現化して、実物のように描写するのです。
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