ヒーローが腰痛でピンチ?怪奇電撃作戦!

ここにも昭和の匂いを色濃く残したウルトライダーが一人。

ウルトライダービクトリーは体操選手の様な宙返りと共に

華麗なキックをぶちかます事で有名であり

シオカワのデータ採集におきましても彼のジャンプ力を研究して

怪人の性能アップや高所作業保障の基準等を算定するエビデンス。

そんな重要なポジションなのだ。ヒーロー側はそんな事知らないんですけどね。


「ビクトリー・ローリングストラ・・・グァァァァ!!!」


今日も怪人に向かって必殺の一撃を放とうとしていた時に

空中で腰をヤバい角度で捻ってしまい、どうやらピンチの様だ。


「フッフッフ。時代遅れのウルトライダーに用は無いわ」


誇らしげに捨て台詞を吐いて立ち去るライバル組織の幹部である

サバ男爵・・・しかし彼はライバル契約を果たしてる彼が負傷しては

少なからず貰っている戦闘手当とかデータ採集で得られる報酬等

様々な恩恵を失い、別の良く分からないヤバいヒーローを探して

どうにか営業し続けないといけないのだ!


「サバ男爵落ち込んでんな」


「あぁ、ウルトライダービクトリーが腰やっちまってグダグダになったんだとよ。」


「畜生ぉぉぉ!!!最近のヒーローは仁義なんて無いから

 新規開拓とか怖いよぉぉぉ!!!推しが死なれたら死ぬゥゥ!!!」


「ライバルのヒーローって推しキャラなんすか・・・?」


さぁさぁ、お困りの痒い所に手が届く地獄からの使者!

私、塩河迫しおかわせまるがプランニングしていきましょう!


ライバル契約でウルトライダーを殺・・・ボコボコにした場合は

戦闘ボーナスが発生しますが、こういった消化不良の事態に備えて

ライバル契約復活保障と言う保険の保険みたいな多重契約が課せられているので

要するにヒーローが戦える状態にしてまたライバルとして張り合う様に

なんかそんなシチュエーションに仕向けるのだ!


「しかし、どうやって・・・」


「こちらの商品なんですがねー。

 変身ベルトの電磁パルスを利用したモノで・・・」


サバ男爵、またも街に降臨!

腰に大怪我を負ったウルトライダービクトリーを呼び寄せる。


「ふん・・・皆の者、かかれーい!」


「ヒー!ヒー!」


「クソっ!戦闘員の不意打ちか!?放せ!」


腰に力の入らないヒーローを殺・・・ボコボコにするのは簡単ですが

データを取る方が重要ですし、フェアファイトをしないと勝った気がしない!


悪の組織シオカワに卑怯の二文字は無いのだ!


「喰らえー(棒読み)痛めた腰への電磁パルス攻撃だー(棒読み)」


「グァァァァ!!!」


激痛に悶絶するウルトライダービクトリー。

そう。フェアファイトを行う為に戦闘員で押さえ込み

特殊な電磁パルスをウルトライダーの神経系に流し込む事で

ヒーローを復活させる作戦だったのだ!


諦めないヒーローはピンチを感じれば感じる程抵抗力が強まる!


「ヒー!どうだぁー怪人低周波マッサー・・・攻撃の味はぁー(棒読み)」


「グァー!なんだ!?痛いけど感覚が戻ってくる様な・・・」


復活したウルトライダービクトリーはこっちが電気治療してあげたことに

気付いてないようだ。チョロい!


「もっと来いビクトリー!」


「なんだか知らないが、お前と戦うのは悪く無いな!」


男の殴り合いの末にウルトライダービクトリーの

ローリングストライクが炸裂し、爆発保障の発動で煙に巻いて撤退!

いいですね。また新たなエネルギー産業のシノギが期待できるデータが取れました!


怪人共済ではヒーローを万全に戦わせる為に市民の安全を確保したり

ヒーローのケアを行いながら活動しております。

良い子のみんなは真似しないでね!

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