第5章:ダークネス・メタル・シティ

悪の組織のメタルヒロイン!いつだって呼んでくれ!

ヒーロー達が町を壊すのがデフォルトの世知辛い世の中

シオカワの傘下においてジャンプ力やパワーに秀でた

戦闘向けで無い怪人を派遣し

逃げ遅れた市民の救助を行っているのが現状ですが


増援の戦闘怪人が間に合わず、市民を助けた怪人を

後ろからボコボコにしてくるヒーローが後を絶ちません。

そういうワケで、かつてシオカワに命を救われて逞しく育ち

ダークネス係数を見出され、レスキューに目覚めた

闇のメタルヒーロ・・・メタルヒロインが最新鋭の機材と武器を携え

平和を愛し、友情を信じ、シオカワの戦闘員の負担を減らす為に戦うのだ!

ヒーローは別に平和と言うよりは社会への不満を垂れてるだけなのだから

悪の組織の構成員に平和と友情を愛する者が居ても問題は無い。良いね?


「デュナミス・ブレイド・ストリーム!」


これはマズい!この前、半殺・・・ボコボコにされて大人しくお寝ん寝してた

ウルトライダーデュナミスがパワーアップして再登場だ!

よりにもよってシオカワから強奪した試作兵器を魔改造して

謎エネルギーの光線が出る剣へと作り替えたらしい。

まったく、困ったモノです。ショッピングモールに直撃し

一気に火の手が燃え盛り、取り残された人が怪我をしてるかもしれない!


「浄化!」の掛け声と共に頑強なアーマーを身に纏い

シオカワのメタルヒロインである

特別救助隊:略して特救の三人の勇者が現場へ向かう!

今の時代、勇者に性別など無いのだ!

連係プレーで消火!女性と言っても侮るなかれ。脅威のパワーで

瓦礫を破壊!取り残されていた市民の安全を確保しますが・・・


ウルトライダーデュナミスと交戦中の怪人達が

彼のパワーアップに対応しきれていない!

かつては彼を苦戦させた怪人達でもなかなか畳みかけられず

悪戦苦闘の真っ只中・・・私、塩河も彼の新データには舌を巻きっぱなし。


「塩河さん!市民の救助、完了しました!」


「お疲れ様です!あのー、モノは相談なんですが・・・」


特救の方々の装備・・・実は非常用とは言え頑強な障害物の破壊に用いられる

ハイパーマキシマムブラスターと言う謎エネルギーをぶっ放す

研究の過程で出来てしまったオーバーテクノロジーの結晶!

ちょっと過剰戦力なトンデモ武器を持っているのだ。

コレ使えたら多分撃退ぐらいは出来るんだけどなー。どうしようかなー。

と察して欲しい空気を出すのも卑しいですが、そうせざるを得ません!


こちらは、特救のリーダーであるフレイア様のマキシマムキャリバーを使い

使用権限を発動して発射しなければなりませんが・・・

威力がまだ不安定な上、まだ試作段階。プロトタイプには保険が効かない!

帰ってから彼女達に待ち受ける書類の山が凄まじい事になるので

後で本部に掛け合ってお賃金アップする事を仄めかします。


怪人の皆様方は避難して下さい!このショッピングモールの駐車場はしばらく

焦土と化すでしょうが・・・今日のウルトライダーはノリに乗ってて何かムカつく!

私情と怨恨ではありますが身の危険を感じたと言う事にして・・・


「ハイパー・マキシマム・ブラスター!」


「ギャアアアア!!!」


ウルトライダーは強大なビームの爆炎に包まれ

大き目の国道の向こう側への田んぼへと

突き刺さったようです・・・仕留めそこないましたが

彼は悪の組織のソーシャルゲームの重課金者。

我がシオカワの養分でもありますので今日はこのぐらいにしておいてあげましょう。


悪の組織シオカワではウルトライダーとの戦いに巻き込まれ

痛い目に遭われてしまわれた方のダークネス係数の測定を実施しております。

やられたら倍返し!目には目を刃には刃を!特に理由のないヒーローが

週一ぐらいのペースで襲ってくる昨今。ルール無視の奴らには

悪の掟で戦う戦士が必要なのです!もちろんお怪我に遭われた非戦闘員の市民も

怪人共済が扱う通常の傷病保険で賄う事が可能となっております。

お困りのことがありましたら、怪人共済にご連絡を!





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