ウルトライダー闇に堕ちる!塩河の謀略・・・

昨今ウルトライダー同士で戦うと言った

本末転倒な事が多発しております。何か戦わないと生き残れない云々で・・・

そこから闇堕ちしてダークヒーローになる。特撮あるあるですねー。


この街で戦っていたウルトライダーウイングは

お人好しである事が災いして仲間のウルトライダーに

戦闘では盾に使われたり、合コンに財布役として駆り出されながらも

全く話に混ぜて貰えずいつも損ばかりしていたのだ。

字面にしてみると酷い扱いですねぇ


塩河迫しおかわせまるはウルトライダーの動向も出来るだけ把握する様にしている。


この日の戦闘でも良いように盾にされ

仲間のミスで自分のバイクを破壊されたのに謝られるどころか

「こんなトコに置いておくヤツが悪い」と吐き捨てられ

シオカワの怪人を退けながらも仲間に裏切られる事に孤独を感じていた。


これはかなり鬱憤を溜めてますね。ダークネス係数が幹部怪人クラス!

こんな闇堕とし甲斐のあるウルトライダーは久しぶりです。

ちょっとお声を掛けてみましょう。


「ありがとうございますウルトライダー!

かっこいいです!」


一般市民を装い、暑い時期にキンキンに冷えたドリンクを差し上げて労います。

「あ、どうも・・・でも俺、ウルトライダー向いてないんじゃないかって・・・」


そもそも正義を振りかざして暴れるのに向いてないのは

平和に生きる人間としては良い事なのですが

ここからは営業の時間です!差し上げたドリンクの中には

リラックス効果のあるシオカワエナジー因子を含んでおり

普段言わない事もスラスラ喋ってしまうのだ!

用法用量を守ってご使用願います!


日頃の鬱憤を聞いてあげますが・・・やはりウルトライダーで徒党を組むのは

ちゃらんぽらんな大学生の飲み会サークルの様な学生感覚。

自分の事しか考えてなくて、モテる為にウルトライダーやってる様な

不純な動機の方が居る様です。謎パワーは本物ですが

彼らは力の使い道を間違えてるのだと再認識させられます。


「ですが、あなたは自分を犠牲にして、必死に頑張ってますよ!偉いです!」


「そんな褒めてくれる人、初めてで・・・」


ウルトライダーウイングさんは涙を流しながら

パシリにされてる現状に不満を持ってる様で・・・

ここからが本当の闇堕ちタイム。先ほどのドリンクが効いてくる頃でしょうか?


「・・・これは?なんですか、身体が・・・」


日頃の緊張したまま疲れていたであろう身体が

シオカワ因子でリラックス状態になって

泥の様に眠ってしまいました。


「もしもし、シオカワ研究所ですか?ウルトライダーを一人確保しました。

 ・・・ええ。闇堕ちの兆候が見られます。」



ウルトライダーは無駄な謎パワーを持った社会不適合者ならずものです。

誰かの為に頑張れる彼をそんな連中の中で腐らせるなど勿体ない。

すぐさまシオカワの研究所に搬送し、適性があれば闇のウルトライダーの完成です。

「ウァァァァァ”!!!」


「凄い!闇に適合している!」


「どれだけ辛い思いをして来たんだコイツは・・・」


研究員の皆様方も久々の闇堕ちウルトライダーに驚愕しっぱなし。


誰もが生きてる間に辛い思いをするでしょうが

彼は味方だと思ってた人達から裏切られ良い様に道具にされ

不憫な暮らしを送っていたのです。


「俺は・・・ウルトライダーデストロイだぁー!!!」


演出では無い闇のパワーが彼の体内に漲っていく!

こうしてシオカワで闇のウルトライダーとして新たな人生を歩き出す。

怪人共済の手厚い保障と温かい怪人の友達が出来た彼は

街で遊んでるウルトライダーに容赦ない鉄拳を浴びせ

あっという間にヒーロースレイヤーとしてその名を轟かせたのであった。



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