新たなる悪の組織登場!同業他社はわが社の契約で!
「おう!?ドコのもんじゃあワレェ!?
タコ怪人なんだから脚1本で済むと思うなよこの野郎!」
あらあら。お電話頂いて駆けつけて見れば我が組織の
極道怪人ケジメドラゴンが知らないタコ怪人さんを捕まえた様で・・・
茹でてないのに真っ赤なボディですねー。
「すいませーん。あ、ケジメさん、私が話通しますからここはシオカワの顔に免じてそのドスブレードしまって下さい。今日もお疲れ様です。」
「塩河の旦那!お疲れ様です・・・テメエ!この人に手出したら海に沈めるからな?」
タコ怪人だから海に帰したら生き延びるのではないでしょうか?
それとも極道ジョークでしょうか?まぁ営業のスタートです。
まずは所属組織から加入してる保険会社をチェックしまーす。
「それで、あなたは・・・ベルダム帝国のマーク。
一般の生命保険会社のご契約なんですねー。」
「そ、そうです。こう見えて幹部やらせてもらってるんですけど
いやー・・・ここの怪人はレベルが高い・・・」
今更揉み手で媚びてもお前に情など湧かない。イイね?
怪人同士争っていてはヒーローの対処にならない。
切磋琢磨するには情報共有が必要だ。
しかし、事故の経緯が色々ある怪人の保険契約を
人間の保険で賄おうとしてるのはいけません。
ここは・・・身の危険を思い知らせるとしますか。
「ケジメドラゴンさん!ちょっとカマシましょう!」
「オッス!」
一方ベルダム帝国本部のあるビルの一室・・・
悪の幹部のタコ怪人:サイコオクトパスが偵察に行ったまま帰ってこない状況。
ふと、本部の通信に彼の姿が画面一面に映る。
「た、助けてくれー!」
とりあえず威嚇の為にケジメドラゴンさんの仁義なきBGMを流しながら
ドスブレードを突き付けて胴体を簀巻きにされたサイコオクトパス君を見せたら
驚いてうろたえるベルダムの有様は小悪党のテンプレの様でした。
「な、なんだお前ら!?」
「もしもーし。シオカワの怪人共済の
迷子の幹部さんを預かってるんですがねー?」
「迷子だとぉ!?お前らが暴力を振るって捕虜にしたんじゃないか!?」
困りますねー。いくらベルダムさんトコがベンチャーで頑張ってる新鋭とは言え
あまりにも知識が無い。人間の保険に怪人が加入する事は
虚偽の申告によって保険金をだまし取るといった詐欺行為になりかねないのだ。
カタギの皆様に迷惑が掛かる行為、子供達は真似しちゃダメだからねっ!
みなさんも起こりうる最悪な事。想像したくはありませんが
交通事故や病気はいつ降り注いでくるか分かりません。
そういった事に関しては自らの貯金だけでは心苦しいでしょう?
日頃の保険の見直し、人間の皆様も心がけるといいかもしれません。
それはさておいて、怪人は怪人の保険に入らないとダメです!
「ガタガタ言うならシオカワの上に話を通しますよ?
ウチの
「ほら見ろよ!田島さんご夫婦の経営してる鮮魚店をブチ壊しやがった!
先代が亡くなられて店ぇ継いでからお子さん産まれたばっかりで
これから銭が要るって時だろうによぉ・・・!」
「聞いてたー?これ、どうしてくれんのかなぁー?
お友達のお魚さんダメにしたんだよこのタコさん・・・」
「な、何が目的だ!?」
あっちの新参会社はまったく分かってないようだ。
悪には悪のやり方があります。
「はい、いーち。」ズドンッ
「ギャアアアア!!!」
サイコオクトパスの八本ある脚の内一本を
ケジメドラゴンさんから借りたドスブレードで切り落とす。
「私のプランを受け入れて頂ければ、店舗の損害補償の手続きをしますし
サイコオクトパスさんの命は助けるんですが・・・」
「ふざけるな!そんなのタダの脅迫・・・」
「はい、一気に2本。」ズドンパッ
「ギャアアアア!!!」
まったく、他所の尻拭いで書く書類仕事とか報告書って一番面倒くさいのに
ここでゴタゴタ言われちまうと私のダークネスが催してしまうじゃあないか?
「ジタバタしないでくださーい。
タコの脚は生え変わるでしょ?知らんけど」
無駄に硬い怪人だな。ドスブレードが刃こぼれして
斬りにくいったらありゃしない。鋸を引く様にジワジワと切り刻んでいく。
いい歳して泣き叫んで骨の無いヤツだ。タコだから仕方ないんですが・・・
「わかった!わかったから!契約するからサイコオクトパスは助けてくれー!」
後で分かった事だがまともな怪人がサイコオクトパスぐらいで
後は下っ端の戦闘員数名か・・・
どおりでコイツだけは助けてくれと必死になるわけだ。
しかしコツコツと零細怪人企業から契約を重ねて縄張りを少しずつ拡大していった
シオカワと言う歴史をナメてはいけまっせん。
まだ見ぬ敵と戦うため、私はドスブレードを持って次の仕事へ!・・・
いかんいかん。身内への営業でバイオレンスはいけません。
サイコオクトパスさんは週に1回小分けに送る方式で
斬った脚と本体を別々でお送りしておきました。
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