改造バイクで追突?ウルトライダー抹殺作戦!

お昼の一段落。こういう時に限って事故が起こるのが

悪の組織の損保業界あるあるだ。覚えておこうね!

悪の組織じゃなくてもあるあるだからね!

ご飯食べて血糖値が上がると眠くなるなー。

とある市民の女性からお電話が来る。


「あの、父がシオカワの戦闘員なんですけど

 ちょっと事故が起きて・・・

 ご相談してもよろしいでしょうか?」


「どうなさいました?落ち着いてください。」


「何か、車乗ってたら信号待ちでウルトライダーのバイクが追突してきて・・・」


「かしこまりました。」



もちろんご家族のケアまで徹底します!七代先まで面倒見るのが怪人共済!!

どけどけーい!!この街は悪の組織が守ってるんだ!ウルトライダーが

バイクで追突したとあっては聞き捨てならぁぬ!

営業車の特別仕様車:アーマードプロボックス号を駆り

ただちに車で現場に急行するゥ。シオカワがこの街の掟そのものだ。


現場ではかなり大混乱になっている。

ウルトライダーが・・・刺々しい角を生やした

改造バイクのスロットルを必死に煽っていた。

一般車両に突き刺さって抜けない模様です。

「すいませーん。逃げるんですかー?」


「なんだお前!俺は今から怪人と戦うんだよ!どけ!急いでるんだ!」


袋のネズミを見つけた時の自分の顔ってどんな顔してるんでしょうかね?

そういってる間に金属の不協和音。損傷が激しくなる被害者のコンパクトカー。

こりゃかなーりやっちまいましたね。お仕置きが必要です。


「あーあ、こんな角の生えた改造バイクで?」


「・・・っ!?」


「キミ、免許持ってるなら過失割合って知ってるかな?」


「んな、バイクが当たっただけで・・・」


とか何とかいってヒーローの角生えたバイクが女性の車の後部に突き刺さり

抜けないまま立ち往生してる。これはまずいなー。

この若造にとって非常に、不味いんだから解決してやろうってのに。

分からんヤツだ。これだからヒーローとは名ばかりの社会不適合者ならずものは嫌いなんだ。


「改造してなくても停車中の車にバイクが追突したら過失割合はほぼバイク側。

 あとは・・・これで車検通してるの?こんな角とか生えたバイクで?」


「関係ないだろ!?俺のウルトライダーパワーで強化したんだよ!」


「ヒーローは市民に怪我させるんですかぁー?って言うか警察呼んでくれた?ん?」


「いや、あの・・・」


「こんな凶悪な角を車体にブっ刺して市民怖がらせて、何がヒーローだよ!?

 いっとくけど、ナンバーで住所分かるんだよね。

 ウチは警察とかなーり太いパイプで繋がってるからさ」


「・・・テメエこそ悪の組織の・・・!!」


「そうですよ。悪の組織の損害保険を担ってます。

 戦うって言うなら今からシオカワの兵隊お前の実家に送り込み続けて

 24時間戦って貰おうかなぁ!?」


「ヒっ!1日ずっとは勘弁してくれ!せめて一人ずつ・・・」


「1日ィ?君が生ゴミの日に捨てられるまで毎日だよ毎日!!

 今回は特別サービスでご家族の命だけは見逃してあげるよ。」


「ヒィィィ!!!弁償しますから!!勘弁して下さい!」


ったく、免責も無いから改造バイクの不法行為で逮捕だアホめ。

市民を傷つけるのは何があってもいけない筈だろうに

新米ヒーローはなっちゃいねえ。


コイツを始末するんならシオカワさんサイドもボーナスがっぽり入るんで

気合い入れまくりのカキ入れ時だったんだけどなぁー・・・骨の無い奴だ。


あーあ。図らずもウルトライダーグレートを社会的にブっ殺してしまったわ。

みなさん。怪人共済は契約者の七代先までしっかり見守ります!

どうぞご愛顧のほどをよろしくお願いします!



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