7

 「ねぇ、湊。質問してもいい?」

 「別にいいけど?」

 

 凪沙が突然、質問をして来た。


 「さっき言っていたエレキとかアコギってなに?」

 「見た方が分かるかもね。ちょっと待って凪沙ちゃん」


 凪沙の質問に潤さんが待ったをかけた。

 潤さんが自分のエレキを楽器のスタンドに置くと近くに置いてあるアコギを手にもった。

 「じゃあ、湊、説明してあげな」

 「はい。まず潤さんが持っている方を見てくれ、凪沙」

 「うん」

 「潤さんが持っているギターはアコースティックギター。長いからアコギって呼んでいるんだけど」

 「アコギ。じゃあ、そっちがエレキだっけ?」

 「そう。こっちがエレキギターで見た目がアコギと違って色がついているだろう。カラフルなボディなんだ。」

 「うん。確かにカラフルだね。湊が今から使うエレキは赤色で潤さんが使っているのは黒色だもんね」

 「そう。凪沙、ちょっとアコギから持ってみな。アコギとエレキのボディだけが違うのと、他にも違いが分かるから」

 「そうなの?」


 凪沙は俺が言った通りにアコギから持ち始めてみた。ちょっとおっかなビックリって感じで、ちょっと面白かった。

 凪沙には悪いけど。


 「あっ、軽ーーーい。なんか軽いね、これ!」

 「だろう。じゃあ、今度はエレキを持ってみたら」

 「凪沙ちゃん。一度、アコギ回収するよ」

 「あっ、はい」

 

 潤さんがアコギを凪沙から預かって一度、スタンドに置いてから今度は、エレキを凪沙に渡した。

 

 「えっ、重くない? エレキってこんなに重いの? アコギの方が軽かったのに!」

 「そう。それが二つ目かな。アコギとエレキの違い。アコギは中が空洞で軽いと思う。見た目はバイオリンの大きいバージョンに似ているかな」

 「確かにバイオリンを大きくして穴が空いているし、空洞だね」

 「逆にエレキはアコギと違って重い。音を出してごらん」

 「音? ……あれ、弾いたけど音、鳴った?」

 「聞こえないだろう。逆にアコギは」

 

 ジャラーーーン。

 俺が凪沙の代わりにアコギを鳴らした。


 「えっ、音が鳴った! でもなんで? さっき潤さんと湊がえーと……そうだ、チューニングだっけ。それをやった時は音、鳴っていたよね?」

 「いい質問だね、凪沙ちゃん」

 「そうですか?」

 「凪沙。エレキ、貸して」

 「はい」

 

 俺は凪沙からエレキを借りるとある準備をしてからジャラーーーンと音を鳴らした。

 

 「えっ、なんで?」


 凪沙が驚いている。


 「エレキは電気で音がなるんだ。ほら、電子ピアノみたいなもん」

 「へぇー、そうなの。すごい!」

 「これが三つ目かな。アコギは電気をいらずに音がなるけど、エレキは電気がないと音が鳴っているかが分からない」

 「確かに……湊の言う通りだね。私がやったときは電気が入っていなかったから音が小さく、鳴っているのか分からなかったんだね」

 「その通り」

 「じゃあ、凪沙ちゃん。二つのギターの共通点は分かるかい」

 「えっ、共通点ですか?」

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