6

 「湊」

 「ん?」


 潤さんとの会話が終わった同時に凪沙が俺のことを読んだ。


 「ねぇ、湊。ギター練習していったら? せっかく楽器屋に来たのにもったいなくない?」

 「えっ。凪沙はいいのか?」

 「湊がまたギターをやり始めたのは知らなかったけど、せっかくここに来たのに。楽器がないとダメなの?」

 「そこは大丈夫だよ、凪沙ちゃん。楽器もレンタル出来るから」

 「そうなんですか! だったら、なおさらやっていきなよ~湊」

 「三十分なら大丈夫だ。一時間はさすがに予約なしじゃあ、難しいけど今回はおまけだ、湊。どうする?」

 

 三十分だけならいいかなと思った。けど、ただ見ているだけの凪沙には酷なものではないのかと俺的には思った。

 だから念のだめにもう一度凪沙に聞いてみる。


 「いいのか、凪沙?」

 「いいよ。湊のギターを弾いている姿が見たい!」

 「つ、つまんないと思うけど」

 「それでもいいの!」

 「分かった。じゃあ、潤さんお願いします」

 「分かった。準備するから先にCー③スタジオに入って待ってなぁ」

 「分かりました。凪沙、行こう」

 「うん」


 潤さんに言われてCー③スタジオに向かった。

 ここの二階は全てスタジオで全部で八つの部屋がある。AからスターとしてHまであり、スタジオのドアのところにアルファベットと数字が書いてある。

 例えばAー①と書いてありそれが部屋の番号になる。わかりやすい。


 Cー③に着くと早速、中に入る。中に入ると広い。そして綺麗でレンタル楽器もあるし、機材も揃っているからすごすぎる。

 とりあえず、椅子だけ準備した。


 「待たせて悪いなぁ」

 

 潤さんが準備を終えてスタジオの中にやって来た。潤さんの背中のところにはギターケースが見えた。マイギターを持ってきたんだと思う。

 潤さんは昔、兄さんと一緒にバンドをやっていた仲間=友達だ。担当はギター。兄さんもギターをやっていた。


 兄さんにギターを教えてもらってからバンド仲間だった潤さんとも顔を知っているなか。だから潤さんも俺とことを知っているんだ。


 潤さんがギターのチューニングの準備をしながら俺に訪ねてきた。

 

 「湊は今、どんな感じなんだ?」

 「えーと、前みたくまではいかないですけど、ちょっとぎこちなさが残る感じで」

 「そーなると……ひたすらギターを弾くしかないなぁ~。とりあえず、こっちのギターで今日は一緒にやってみよう。自分のマイギターじゃあないからやりずらいかもしれないが」

 「分かりました」


 潤さんに言われて俺もギターのチューニングを始めた。


 チューニングとは音の合わせるときに大切な行程の一つ。チューニングをやるのとやらないのでは全然音が違ってくる。


 チューニングをコンパクトの機械をギターにつけて音を鳴らす。そーすると振り子が左右に揺れて真ん中に止まれば今出している音は合っています、と分かる。逆に左右に振れていると音が高い、低いと分かる。ざっくりではあるがチューニングの説明は以上になる。


 「湊は、エレキでいいんだよなぁ?」

 「はい。兄さんと同じでエレキです。アコギも家にありますけど、たまに使うぐらいです」

 「了解。分かった」

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