『火の島』 下の下の中の2


 『ごきらららん』は、誰も助手に指名せず、ひとりで本部の中に戻って行きました。


 彼女は、爆弾処理のプロだったのです。

      

 あとを任されたのが、『ごきセヴン』(通称G7)と呼ばれる、地球ゴキでも最大級の大きさがある種族出身のごき兵士でした。


 『かくれる場所は、あるりか、ごきな?』


 みためクマさん族のリーダーは、答えました。


 『昔から使っている避難用の洞窟があるくま。かなり頑丈だし、危険な放射線も、そりなりに、防ぐくま。』


 『よし、全員、避難してくださいごき。我々は、警護に当たりごき。』


 『いっしょに、逃げたが良いくま。』


 『いや、われわれは、軍隊ですごきな。任務でごき。』


 そうして、みためくまさん族に、洞窟シェルターに避難するように指示したのです。


               🛸



 空に飛びあがった、宇宙ゴキ本部の中心部は、すでにかなりの上層に上がっています。


 『十分上がったら、タイマーを入れろごききき!』


 宇宙ゴキのボスが言いました。


 『本当にやるのですね、ごきらき。あなたの部下も残ってますごきき。』


 『非常時であるごきらん。全ごき火の玉であるごきき。』


 『ふうん・・・仕方がないごきら。わかりましたごきが。しかし、理論上は、大気圏内にいると、こっちもやられますごきら。宇宙空間に出なければならごきな。』


 『そうごきな。このまま、上昇せよごきき。』


 『ごき。ただし、こいつは、設計が古くて、少しのろいごき。あなたが、改修をしぶったごき。』


 『それは、節約というごきなん。いそげごき。敵に時間を与えるごきななな。』


 副官宇宙ゴキは、やむ負えず従ったのです。


 『愚かな上司も、上司は上司ごきなん。わがゴッドよ、許しごきなん。』


 副官は、小声で、そう、言い捨てたのです。



   ***************   ***************


 

 ぼくたちは、下山に取り掛かりました。


 『この連中。ほっとくか?』


 ぼくが、つぶやきました。


 『あなた、背負って降りるにゃんか?』


 『いやあ・・・・いくらなんでも、そりゃあ、無理だろう。』


 すると、巨人の一人が、少しだけ動き、目をあけて、何かを言っています。


 『何か言ってるよ。』


 みためくまさんです。


 『言葉がわかるかな。』

 

 と、ぼく。


 『・・・・・・・エア。いや、れららわ、ほろびる、うんめい。ねがわければ、のこたのかまを、すくわんとせんなむなむなん・・・・・』


 そこまで言って、大男は黙りました。


 『なんだか、分かったような気がするな。』


 そのときです。



   《どっか~~~~~~~ん。》



 『大変にゃんこ。爆発したにゃん。早く降りるにゃん。』


  巨大火山が噴火を始めたのです。 



    ***********************

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