『火の島』 下の下の中の2
『ごきらららん』は、誰も助手に指名せず、ひとりで本部の中に戻って行きました。
彼女は、爆弾処理のプロだったのです。
あとを任されたのが、『ごきセヴン』(通称G7)と呼ばれる、地球ゴキでも最大級の大きさがある種族出身のごき兵士でした。
『かくれる場所は、あるりか、ごきな?』
みためクマさん族のリーダーは、答えました。
『昔から使っている避難用の洞窟があるくま。かなり頑丈だし、危険な放射線も、そりなりに、防ぐくま。』
『よし、全員、避難してくださいごき。我々は、警護に当たりごき。』
『いっしょに、逃げたが良いくま。』
『いや、われわれは、軍隊ですごきな。任務でごき。』
そうして、みためくまさん族に、洞窟シェルターに避難するように指示したのです。
🛸
空に飛びあがった、宇宙ゴキ本部の中心部は、すでにかなりの上層に上がっています。
『十分上がったら、タイマーを入れろごききき!』
宇宙ゴキのボスが言いました。
『本当にやるのですね、ごきらき。あなたの部下も残ってますごきき。』
『非常時であるごきらん。全ごき火の玉であるごきき。』
『ふうん・・・仕方がないごきら。わかりましたごきが。しかし、理論上は、大気圏内にいると、こっちもやられますごきら。宇宙空間に出なければならごきな。』
『そうごきな。このまま、上昇せよごきき。』
『ごき。ただし、こいつは、設計が古くて、少しのろいごき。あなたが、改修をしぶったごき。』
『それは、節約というごきなん。いそげごき。敵に時間を与えるごきななな。』
副官宇宙ゴキは、やむ負えず従ったのです。
『愚かな上司も、上司は上司ごきなん。わがゴッドよ、許しごきなん。』
副官は、小声で、そう、言い捨てたのです。
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ぼくたちは、下山に取り掛かりました。
『この連中。ほっとくか?』
ぼくが、つぶやきました。
『あなた、背負って降りるにゃんか?』
『いやあ・・・・いくらなんでも、そりゃあ、無理だろう。』
すると、巨人の一人が、少しだけ動き、目をあけて、何かを言っています。
『何か言ってるよ。』
みためくまさんです。
『言葉がわかるかな。』
と、ぼく。
『・・・・・・・エア。いや、れららわ、ほろびる、うんめい。ねがわければ、のこたのかまを、すくわんとせんなむなむなん・・・・・』
そこまで言って、大男は黙りました。
『なんだか、分かったような気がするな。』
そのときです。
《どっか~~~~~~~ん。》
『大変にゃんこ。爆発したにゃん。早く降りるにゃん。』
巨大火山が噴火を始めたのです。
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