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──白い丸い月が、青空に浮かんだら、キミに逢いに行くよ。

  季節外れの海に。

  1年頑張った、キミへのごほうびに。

  これから何年経っても。

  たとえキミがおばあちゃんになっても。

  キミが僕を覚えていてくれる限り。

  年を取っても、どんな姿になっても、僕はキミだとわかるし、何度でもキミに恋をする。

  キミを抱き締める度に、心からキミを愛しいと感じるんだ。

  そうして、僕らは静かに口付けを交わすんだ。

  1年分の"愛しい"と、"切ない"を込めて。

  いつかまた、隣にいられることを願いながら。

  1年にたった1度だけ。

  白月の下で。

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白月の下で 鳴海路加(なるみるか) @ruka_soundsea

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