第九章 決戦①

私たちは、魔王が待つ場所へとたどり着いた。ここまで来るのに、何時間と経っただろうか。疲労やら傷やらががまだ取れていないので、満身創痍になっていた。だが、そんなことを考えていたら、一発で殺られるだろう。だから、私たちは、装い、魔王を睨みつけていた。魔王は、私たちを見ると、

「はっはっは、なんだ、その疲れ切った表情と体は。そんな状態で俺を倒せると思っているのか?笑わせるな!それだったらまだ世界中のクズどもを一斉に相手したほうがましだ!」と、魔王は怒っていた。私は、

「だったら、どうしろっていうんだ?お前の魔力で私たちを回復させてくれるなら、速攻でお前を殺すことは簡単なんだがな」と、私は、無理だとわかっていながらも、遠回しに、回復させろ、と魔王に言った。魔王は、その言葉の意味をくみ取ったのか、

「ほほう、だったら、俺がお前らを回復させてやろう。だが、条件というか、縛りも序でにかけよう。それは、1時間以内に俺を殺せなかったら、お前たちは、微塵も残さず消える。そして、お前らという存在をも消してやろう。これでどうだ?」と、魔王は言ってきた。私たちは、迷った。なんせ、キングを倒すときでさえ、一時間以上はかかっていた。魔王はキングより強いのは明らかだ。そんな負け勝負を受けたくはなかった。しかし、

「いいぜ、やってやるよ。だが、お前にも少し条件を付けてもいいか?」と、健は言ってきた。

「なんだと?どうして、お前らを回復させてやるっていうのに、こっちがお前らの条件を飲まなければいかんのだ」と、魔王は言った。当たり前だ。魔王にメリットがない。何か策があるのだろうか。

「だが、条件を聞くだけなら、聞いてやろう。そして、こちらに悪条件でなければ、飲んでやる。無理だったら、そのままだぞ?いいか?」と、魔王は発言を許可してくれた。そして、健はこう言った。

「その一時間のうちの三十分、もしくは、十分、お前は攻撃をしないで、守るだけにしろっていう条件だ。攻撃する以外なら何してもいい。猫だましくらいなら許す。それでどうだ?」と、健はさらに意味の分からないことを言った。そんな条件、魔王が飲み込むわけがない。私は、健が言った後、少ししてから、魔王を見た。魔王は、真顔だった、何か考えているのだろうか。私にはわからなかった。魔王は、少し沈黙した後、

「そうだな、俺もお前らを全力で潰したいんでな。そして。体力的にも、俺のほうが、数倍上だ。よし、その条件を飲んでやろう。だが、十分だ。十分のうちは、身を守る程度しかやらん。そして、十分経ったら、すぐにお前らを殺す」と、魔王は何と、健の条件を飲んだ。私たちは、戦闘態勢に入り、魔王は、私たちに、回復魔法を使った。そして、魔王は、

「よし、それでは、来い!!!お前らの全力を俺にぶつけてみろ!!」と、言って、魔王は強靭な身体プラス強力な魔法で身を守った。私たちは、それを破ろうと、魔王に全身全霊をぶつけた。

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