第四章 伝説の剣

そして、少年雄は、仲間の健と共に、魔王を倒すべく、行動することとなった。二人ともバーサーカー気質があり、優作は少し不安を募らせていたが、無駄な行動はしないらしく、安堵した。

「次はどこに行くの?」と、健は聞いてきた。私は、

「まだ、特に決まってないんだよな。というより、どこに化け物がいるのかよくわかってないんだよ」と、返した。健は驚き、

「えー、じゃあ、手当たり次第に行動していくって感じなの?」と、半分呆れ口調で言われた。いや、仕方なくない?だって、どこに魔王の手下基幹部がいるかなんて、そう簡単に見つかったら苦労はしないでしょ。と思った。

「まぁいいじゃん。どうせ魔王まで時間はかかるし、トールワイド倒したときに聞いたけど、あと4体は幹部というか、改造された人間がいるらしいよ」

「まじかよー、あと4体もいるのかよ。気が遠くなるなー」

「でも、直感だけどそろそろ、出くわすと思うんだけどな」などと、健と会話していると、突然、

「ひっひっひ、そこのお二人さん、ちょっといいかな?」と、知らないばばぁが話しかけてきた。見た目が怪しすぎた。なんか魔女っぽい格好してるし、背が2mあるしで、こいつ人間じゃないだろと思った。

「なんか様ですかー?」と、健はばばぁに聞いた。

「ひっひっひ、お二人さん、これから魔王を倒すのであろう?それなら、そんな武器では、魔王にはかなわんぞ」と、言った。私たちは驚いた。このばばぁは、魔王について何か知っているのか?と。

「驚いとるようじゃのう。さて、話の本題はここからじゃ」と、言われ、私たちは首を傾げた。

「この先に、洞窟があるんじゃが、そこには、はるか昔の剣が眠っているというんじゃ。しかし、それは、年月が経っており、地面にすっかり埋もれてしまって、今では、持ち手の部分しか見えんのじゃ。しかも、それは、簡単には抜けず、抜こうものなら、炎が出て、体が燃え盛るというのじゃ」と、説明された。

「んじゃあ、その剣を仕えた者はいなかったんじゃないの?」と、ばばぁに聞いた。

「それがの、昔、今とは違う魔王がおって、その時の勇者がその剣を使って倒したらしいのじゃ。それだったら、あんたたちには、あの剣は抜けると、私は思うんだがのぉ」と、言ってきた。ここまで言われたらやるしかない、と思い、私たちは、ばばぁに道案内をしてもらった。

 しばらく歩いていると、洞窟が見えた。すると、

「わしゃ、ここから先は行けん。お前たちで行ってこい、健闘を祈るでな」といって、ばばぁは去っていった。

「よし、それじゃあ、どっちが抜けるか勝負だな」と、健は呑気なことを言ってきた。私は、それを無視して、洞窟の中を進んだ。そして、考えた。なぜあのばばぁは、私たちに伝説の剣とやらの居場所を教えてくれたのだろうか。怪しいと思った。しかし、考えては仕方ないので、道中を進み続けた。

 数十分歩いたころだろうか、いかにも、ここにあります予感を漂わせている空間があった。ちなみに、健はというと、途中からビビッて、私についてくるようになりついてくるようになり、それ以降無言でいた。いや、本当にこいつ使い物になるのかよ、とも思ったが、仲間は欲しかったので、我慢した。そして、私たちは、目の当たりにした。禍々しさも感じるあの剣、そうとう危険な代物だということに。すると、突然、健が元気になり、

「はっはっは、これは俺のものだ!」と、言って、剣のヒルトを持った。瞬間だった、突然健の体が燃えたのだ。

「うわぁぁぁ、あちぃぃぃ!!!!」

私は驚いた。あのばばぁが言ったことは本当だったのだ。健はすかさず剣を離した。

「これは持ち帰れねぇよ」と、健は言ったので、次は私が持つことにした。すると、いとも簡単に抜けてしまったのだ。私たちは目を見開き、互いを見合わせた。

「なんで、お前が持てて俺は持てねぇんだよぉ」と、悔しがっていた。多分、勇者の資質的な奴なのだろうか。私は呆気にとられた後、しばらくその剣を振っていた。

 これならいけそうだ、と思い、私たちは先に進むことにした。健に関しては、次の化け物が出るまで不貞腐れていた。

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