第4話:自分のステータス
俺は手当たり次第にステータスオープンを使った。
幽体離脱しているお陰か、誰にも気付かれない。
それで分かった事は、王族のステータスがとても高い事。
この場にいる騎士、一般兵士よりも強いであろう騎士の平均が分かった。
「優秀な平騎士の平均的なレベル」
人体:基礎/レベル25
職業:剣士/レベル4
:HP/25/25
:MP/25/25
「戦闘スキル」
弓術:レベル3
槍術:レベル4
剣術:レベル4
短剣:レベル2
馬術:レベル4
「生産スキル」
野営:レベル1
料理:レベル1
本当なら学生達のステータスも見て、騎士達と比べたい。
そうすれば学生達が逃げられるのか戦えるのかの判断ができる。
だけどそんな事をしてしまったら、学生達のプライバシーを侵害することになる。
命の危険すらある重大な時だとは分かっているが、できる事ならやりたくない。
それに、分かったとしても伝える方法がない。
「ウルトラヒール」
苦しそうな表情をしながらも、パーソン公爵が回復呪文を唱えている。
学生達に誠意を見せるためだとは分かっているが、頑張っているように見える。
それにパーソン公爵は、ステータスに第9王子と書いてある。
王子だというのに覗き魔の部下となって、お目付け役になっている。
少なくともこの国が、危機に際して身分に拘らない臨機応変の対応ができる事だけは確認できた。
「とってきたぞ、最上級の回復ポーションだ。
国宝のこれを使う事で誠意を見せることができる」
さっきの偉そうな王孫が、うるさい音をたてながら戻ってきやがった。
ガサツで騒々しい奴は大嫌いだ。
「待ってください殿下。
私がウルトラヒールを使っても、意識を取り戻さなかったのです。
同じ効果しかないポーションを使っても意味はありません」
なるほど、最上級の回復魔術を薬で再現するのはとても難しいのだろう。
それに治癒術士の数もとても少ないに違いない。
さっき手当たり次第のステータスを確認した時も、治癒術士は少なかった。
治癒術士を国が好条件で囲い込んでいるのなら、民間に治癒術士はいないはず。
民は回復ポーション頼みになるのだろうが、貴重で高価なのだろうな。
「意味はある、こちらの誠意を見せる事だ。
勇者殿達には治癒魔術と回復ポーションの違いは分からない。
使ってみて確かめてもらうしかないのだ」
偉そうな王孫がきっぱりと言い切る。
それを聞いたパーソン公爵も納得したようだ。
さっきパーソン公爵が配下の治癒術士に言った事の繰り返しになっている。
「なるほど、分かりました王孫殿下。
直ぐに飲んでいただきましょう」
だがパーソン公爵も、王孫が言っている事が正しいと思ったのだろう。
直ぐに賛成して配下の治癒術士に視線で命令を下している。
それに反応した女性魔術士が恭しく王孫から国宝薬を受け取り、死んだ俺に飲まそうと近づいていく。
「シュウゥウウウウウウ!
フッワァアアアアアア!」
「キャッ、痛い」
サクラが俺の身体を護るように、ポーションを飲まそうとする女性魔術師の手を思いっきり引っ搔いている。
ついさっきまで、幽体の俺に身体をすり寄せていたはずなのに。
今は死んだはずの自分の身体に戻っている。
もしかしてまだ死んでいないのか?
幽体離脱しているから仮死状態になっているだけなのか。
(ステータスオープン)
俺はようやく自分のステータスを確認してみる気になった。
『氏名:猫屋敷翔平』
人体:基礎/レベル無限
職業:英雄/レベル無限
:HP/無限/無限
:MP/無限/無限
注 :英雄職のHPとMPはレベルの3乗
「戦闘スキル」
英雄:レベル無限
剣道:レベル1
柔道:レベル1
「生産スキル」
園芸:レベル10
育成:レベル10
調教:レベル10
整骨:レベル10
鍼灸:レベル10
「固有スキル」
幽体離脱:レベル無限
憑依 :レベル無限
不滅 :レベル無限
注 :身体と幽体が離脱した状態で異世界召喚された事で固有スキルを得た。
:不滅だが、不滅を得た時にはすでに死んでいた
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