一緒にいると起こること(社会人)

 休日、夕食後にソファーへ腰を下ろして映画を観ていたA子とB子。ソファーの前にあるローテーブルには深めの皿に入った枝豆と、その皮を入れる皿が置いてあり、二人は時折それをつまんで食べていた。


 映画の方では、地下に閉じ込められた男が脱出を試みるためにコンクリートの部屋のあちこちを調べる。

 B子が枝豆を手に取る。テレビ画面へ視線を向けながら口の前まで持ってくると、枝豆を挟んでいる指先に力を込める。

 ちょうどそのとき、A子は「あの部屋――」とB子へ話しかけようと顔を向けた。

 B子「あっ」指先から想定外の方向へ枝豆が飛び出す。

 枝豆はまっすぐにA子の開いた口へ入った。


 口を閉じて枝豆を食べるA子「あの部屋元々なんの部屋だったんだろうね」

 B子「枝豆飛ばしちゃった」

 A子「ちょうど食べようと思ってたからよかった」


 笑みを浮かべた二人は、再びテレビ画面へ顔を向ける。

 そのテレビ画面の中では、排気口に手を突っ込んだ男が地図らしきメモを取り出していた。


 A子「奇跡だね。超ラッキー」

 B子「そうだね」

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