ドキドキ☆ナイト(高校生)

 夏休みにA子のおばあちゃん家へ泊まりにきているA子とB子。夜、同じ部屋で布団を敷いて眠っている。

 コロコロ、グワグワ、と虫や爬虫類が外でうたっているのが聞こえる部屋で、B子は目を覚ました。


 B子(……トイレ)

 隣へ目をやると、暗いなかぼんやりと見えるA子はスヤスヤ眠っている。体を起こしたB子は重たいまぶたを持ち上げながら辺りを見回す。

 B子(暗くてちょっとこわい……)

 この部屋は月明かりが障子を通って入ってきているだけである。


 少し考えに迷ったB子だったが、「我慢して寝ちゃおう」と決める。

 しかしそのとき、

 A子「ん……トイレ?」と、目を覚ましたA子がB子に声をかける。


 B子「あ、起こしちゃった。ごめんね」

 A子「いいよ。いこっか」、と目をこすりながら体を起こしてゆっくりと立ち上がり、トイレへ向かうためにふすまのほうへと歩いていく。


 B子「あっ……う、うん」

 A子の優しさに安堵しながらも、どうしてわかったのだろうと疑問に思うB子。

 そうしてついていき、B子はトイレの部屋へ入ってドアを閉めた。


 ――Now Loading――


 用を済ませてB子が部屋から出ると、A子は目を閉じて壁にもたれながら待っていた。A子はB子へ眠たそうな視線を向けて口を開く。

 A子「ちゃんと出た……?」

 B子「ッ! 言わないとダメなの?」驚きながらも声をひそめる。


 そんなB子にA子は「あっ」と口を開き、「……あぁ、ごめんね。親戚のちっちゃい子が怖がりで、いつもこういう感じだからつい」と申し訳なさそうに微笑む。


 B子「そうだったんだね。大丈夫、ありがとう」、理由がわかり小さく笑う。

 A子「うん、じゃあ戻ろうか」

 二人は寝室へ戻って布団に入る――そのとき、なぜかA子はB子の布団に一緒に入って横になった。


 そして、

 A子「じゃあ寝よっか。おやすみね……」と、B子を胸に抱き寄せて、すぐに眠りについてしまう。

 B子「えっ……えっ?」

 またしても疑問が生まれてしまったB子であったが、A子に包まれる安心感からすぐに眠ってしまった。


 翌朝、朝食を取りながらB子はきいてみた。

 B子「昨日は遅くに付き合ってくれてありがとうね。……あと、同じ布団にも入ってくれて」、続けて小声で「よく眠れたし……」

 A子「そうだったっけ?……あ、そういえば起きたら一緒に寝てたよね」。それから続けて、「気にしなくてもいいよ。親戚の子が怖がりでよく一緒に寝てるんだ」と微笑みながらご飯を口へ運ぶ。


 B子は自分がちっちゃい子のように思われていたことで不満そうな表情を浮かべていたけれど、それでも一緒に眠ったときの気持ちを思い出して、また一緒に寝てもらおうかな、と密かな期待に胸を膨らませるのであった。

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