第128話 人間の風情(10月21日)

 風物詩と言えばどうしても古くからある行事などを思い浮かべてしまいがちだが、私にとっての晩秋のそれは𠮷野家の牛鋤鍋御膳である。

 健康診断と重なった場合には流石に叶わぬが、発売初日に買い求めて頂くといよいよ秋の終わりを痛感させられる。

 今年のように気候上の秋はどこへ消えたと思うような年であっても、同じような気分になれるから愉快なものである。


 風情も何もと人から後ろ指を差されそうでもあるが、病床六尺ではないがこうした身近なものに風流を感じ取るのは昔からの楽しみ方である。

 服が変わった、農作業が変わった、祭りがあった、火鉢が恋しくなったなどという何の変哲もないことがささやかな楽しみである。

 そういえば、先日冷蔵庫の温度設定を一つ下げた。

 これもまた何か名句にできれば季語を生み出せるのだが、残念ながらそれほどの力量は内容である。


【本日の出来事】

◎トランプ氏がSNS創設へ

 巨大権力に対抗するためとのことであったが、確かに今や企業と政府の力関係はバランスを崩そうとしている。

 元から主従関係があってはならぬのだが、あくまでも民主主義下では政府は国民の代表の一つであり、これが抑えられるようなことがあればそれもまた問題である。

 とはいえこれもまた一つの権力に過ぎないのかもしれぬのだが。

◎有明海で養殖海苔の種付け始まる

 大雨によって今年はどうなるかと思っていたが、冬の海にいつもの景色が浮かぶのは何とも心強い。

 こうした自然と隣り合った風物詩を見るのもまた愉しいものである。


【食日記】

朝:鶏つくね串

昼:カレー南蛮そば、ツナマヨおにぎり、野菜ジュース

夕:お新香、牛鋤鍋膳、大根と豚肉の煮物、日本酒

他:タリーズブラック、おーいお茶

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る