第116話 冬支度(10月9日)

 十月になっても暑い日が続き、夜になると急に涼しくなるというのはあまり身体にいいものではない。

 とはいえ、夜長に窓を開けて車を駆れば心地よく、脳味噌の処理は追いつかぬものの秋が来たのだということを身体が実感してくれる。

 目にはさやかに見えねども、という和歌があったことを思い出しつつ、少しずつ冷房から離れていこうとしている。

 急変とはいかぬだろうが、いずれ来る気象上の晩秋と冬が忍び寄ってきているのを僅かに感じるようになった。


 中国でゲーム規制が始まった時に、よもや民間メディアすら排除に動こうとは流石に想像もしなかった。

 いや、正しくはこうも早くそうした動きに出るとは思わなかったのであるが、元々君主制の長かった国である以上、そうした素早さは予想しておくべきであった。

 無論、絶対権力者一人で全てが決められるという訳ではないが、一度決断してしまえば後は滝壺に落ちるよりも速い。

 こうなった以上、中国は分厚い覆いに包まれることだろう。


 夜冷えが身体に染みるようになるのも間近である。

 それまでに衣更えを済まさねばならぬ。

 しかし、大陸の人民は抑圧の冬に向けてどのように過ごすのか、あまりに自由に慣れ過ぎた頭では想像もつかない。


【本日の出来事】

◎ローマ教皇 COP26参加見送り

 体調を考慮してということであったが、これで環境問題は張子の虎になったということだろう。

 環境問題は確かに重要な議題であろうが、それ単独で考えて走ってしまえばいずれは多くの摩擦を引き起こし、結果として誰一人望まぬ未来を負うこととなる。

 何より、苛烈に果断にという行動の裏で目を覆う現実が多ければ、それは環境に悪影響を及ぼしているものと同じになってしまう。

 原始の生活に戻れぬ今、技術と現実的な資源を以って相対さねばなるまい。

◎インドにセブンイレブン1号店

 既にあると思っていたものだから驚かされたが、確かにドミナント戦略をとるのであれば、相応の準備をして出ていくであろうから何の不思議もないことであった。

 日本式のサービスがどのような形で現地に浸透していくかは不明であるが、あまり人の在り方に反するような接客が広まらねば良いがと危惧する。

 とはいえ、それはより長い歴史を持つインドである。

 たとえ他国の在り方を受け入れようと、全てはインダスやガンジスの流れに飲み込んでしまうのかもしれない。


【食日記】

朝:ヌク

昼:ザ・かつ丼、肉そば小

夕:豚肉の生姜焼き、ウィスキーお湯割り3

他:おーいお茶、野菜ジュース

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