第115話 世の中に楽しみ多し(10月8日)
健康診断が無事に終わって一安心したのであるが、問診で医者から、
「お酒は一日一合に控えて下さいね」
と言われてしまった。
思わず苦笑してしまったのであるが、とてもとても受け入れられるものではない。
「太陽は西から昇らぬ」と呟いたのだが、あまりに健康的で清潔な生活というのは人情味が無くなるらしい。
そのような健康を得るぐらいであれば、腹が裂けてしまった方がましである。
良薬は口に苦しと言うものの、毒にも薬にもならぬ人生を送るつもりはない。
差別や偏見に伴う表現を避けねばならぬという声が大きくなっているが、果たしてそれは良いことなのだろうか。
確かに、人を傷つける表現を多用するのは問題であるが、とはいえ綺麗なものばかりがこの世界を満たしている訳ではない。
そのようなものは人間性というものに蓋をして、仮初の美し世界を楽しんでいるに過ぎず、それこそ仮想世界に佇むのに似ている。
人間というものはもっと生臭くて、汚くて、だからこそ面白く、味わい深く、美しくすらある。
これを捨てるのであれば、世を捨てた方がましである。
これを病院で高らかと言うことができればよいのだろうが、流石にそこまでの度胸はない。
これもまた私の汚さであり、人間らしさと言うべきであろうか。
二杯に及んだウィスキーのお湯割りを拝みつつ、思わず苦笑が漏れるのは私の悪い癖であるのかもしれない。
変わらず、明日も自由に酒を楽しむこととしよう。
【本日の出来事】
◎双子パンダの名前決まる
NHKの速報として流れてきたものだから何が起きたのかと驚かされたが、蓋を開けてみればなんということもないことであった。
なぜ、動物の名前が決まっただけで速報となりうるのか、とても私にとっては理解できない。
それこそ名前が決まって報道されるのは元号だが、まさかそれと同じとでも言いたいのだろうか。
これが夜のニュースの一つとして取り上げられるのなら分かるのだが、世の中というのは不思議なものである。
◎地震によりダイヤの乱れ 首都圏
一夜明けて都市機能の麻痺が如実に出たことで、私は大都市の持つ災害への弱さを始めて知った気分となった。
思えば、狭い地域に人口の数割が住むという極端な状況は異常である。
そこに非日常が持ち込まれればどのようになるかなど、安易に想像がつくはずであった。
やはり私は程よい盛り場がちょうどよい。
【食日記】
朝:ヌク
昼:ステーキ定食
狂ったように肉を食らったのだが、やはり絶食後の一食というのはこれくらい力強い方が良い。
夕:唐揚げ弁当、ウィスキーお湯割り2
他:おーいお茶
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