第82話 古代女性は太陽であった(9月5日)

 初の女性指導者という言葉を目にする度に、そのようなことを喧伝せねばならぬほどにまだ男女間での差が大きいのかという思いと女性であれば良いのかという思いとに曝される。

 日本史を振り返った際に、卑弥呼や推古天皇など合間に女性指導者が挟まることもあり、摂政など男性の補佐があったとはいえ十全に勤め上げたものと思っている。

 また、戦国期の大名の妻にはいざというときに本国を護る役目も少なからずあったようで、そうなると女性を大きく蔑視していたというよりも役割を分担していたというべきではなかろうか。

 今でも子を産み育てるというのは大事であるが、ここに女性は不可欠である。

 怒られてしまいそうであるが、生物学上の話をしてしまえば女性と生殖機能を持った男が一人でも生き残れば、その他の男は全滅しても種の保存は図りうる。

 そうなると従軍への適性の高い人物の割合を考えても、男が主軸になって戦うというのは当時としては効率的であったということができよう。

 そして、戦争は政治ないしは外交の一部分であることを考えれば政治の主体を男が長らく握っていたというのは生き残りという点から妥当であった。


 一方、女性の方が政治的に優れている、あるいは劣っているという評価についてはあまり意味がないように思う。

 例えば、イギリスのエリザベス一世は名君と言って差し支えない。

 先王までの失政により山積みとなった火種を常に抱えながら、時には海賊の力を借り、時には自らの縁談を利用して国を守り通したというのは称賛に値する。

 無論、全てが良かったわけではないのだが、全体としては優秀であったと評価してよいだろう。

 しかし、プトレマイオス朝最後の女王であるクレオパトラ七世については、残念ながら悪評の方が勝ると言わざるを得ないだろう。

 プトレマイオス戦記でカエサル方につき、お家騒動に巻き込まれたローマの将軍ポンペイウスの殺害により取り潰されかねなかったプトレマイオス朝を保ったのは見事であった。

 それがアントニウスとオクタヴィアヌスとの権力争いに率先して介入し、国を損なったという結果を見れば残念ながら糾弾されるべきであろう。

 これを絶対権力者に対抗した悲劇の女王とみるのであれば不公平であり、彼女の立ち位置を考えれば失礼ですらある。

 そこに美女という評価も全く関係はない。


 能力がある人物、それだけが今の指導者に求められる絶対的な条件である。

 そこに性差関係なく臨めるのが憲法に記された内容である。

 私は女性指導者が生まれたとしても、男性指導者が生まれたとしても同じように対応できるよう襟を整えるのみであり、それこそが最も女性に失礼のない対し方であると思うのだがいかがであろうか。


【本日の出来事】

◎東京パラリンピック 閉幕

 こちらで紹介したのは国枝氏の車いすテニスのみとなってしまったが、戦況は逐一確認していた。

 パラスポーツというものに触れながら、その競技の多様性と運動の異次元性を垣間見られたのは非常に有意義であった。

 やはり個人的にはオリンピックよりも興味をそそられるらしい。

 その一方で、フォローしている相撲ライターの方々が、オリンピック以後は相撲の話題に集中しきっていたのは本場所が近づいたせいであろうか。

 いずれにせよ、この長きに亘る熱戦を繰り広げた選手の方々とそれを支えた関係者にはお疲れさまでしたという声を捧げたい。

◎中村哲氏の壁画消去 アフガニスタン

 本質は石仏を破壊した頃と変わってはいないということであろう。

 下手に文化を破壊する国家がどのようになるのか、今後も注視したい。


【食日記】

朝:ヌク

昼:メンチカツバーガー、カレーメンチカツバーガー

夕:豚の生姜炒め、豚の山椒炒め、豚汁、発泡酒(ロング缶)2、麦飯2

他:おーいお茶

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