第79話 独り身の難(9月2日)

 ここ数年、というよりも一年で大きく変わったのはゲームをする時間がほぼ無くなったということであろう。

 その主因は執筆にあるのだが、色々と思いを出力しているとそれ以外に割く時間が削られていくのを実感している。

 ただ根を詰めて創作すればそれぐらいの余暇は確保できるのであろうが、私の不精を考えればその選択肢はないのだろう。

 後は晩酌の時間が長くなった。

 頭を空にする時間が欲しいということなのかもしれないが、これも削ればより創作の量を増やせ、無形の財産を増やすこともできる。


 時間をコストと考え、その効率を重視するのが今の若い者であるという定義があるらしい。

 その定義からすると私はいよいよ若者から離れねばならぬのだろうが、確かに若い頃の時間の価値というのは高い。

 それこそコストパフォーマンスがよいということなのだろうが、歳を取るにつれてそれを高めるためにより無為が欲しくなってくる。

 以前、知り合いがパチンコに行く理由を、頭を空にするためと答えたことがある。

 私自身はせぬためによくわからぬことであったが、私にとっての晩酌と同じなのだろう。

 私は鮪にはなれそうもない。


 ただ、もしもこれが単なる無気力であるのならば笑って見過ごす訳にはいかない。

 戸内の鬱屈とは恐ろしいものであり、それが続けば死に至る病いとなる。

 慎重に何もせぬことを愉しむとは、我ながら矛盾に満ちた話である


【本日の出来事】

◎池袋暴走事件 飯島被告に禁錮五年

 交通事故による量刑の軽重はともかく、今回の判決は現在の条文と照らし合わせて妥当ではなかろうか。

 懲役ではなく禁錮に留まったことについては年齢的を考えれば、業務に携わらせれば刑務所に負担がかかるばかりとなって不適当であろう。

 何よりも感情に任せてより重い罪を求めるのであれば、それはいずれ法治国家として取り返しのつかぬ事態を呼び起こすこととなる。

 指導者の処罰を喜んだ都市国家の市民は、その手が自分に伸びる頃となってその愚に気付いたが、既に自由を失っていた。

 腹立たしい時ほど、中庸という言葉が重い。

◎アイドル育成番組を禁止 中国

 「健全」な青少年の育成を目指す中国の規制は増していく一方のようであるが、ある意味では壮大な社会実験であるとも言える。

 アニメやアイドル、ポップミュージックなどのサブカルチャーを制限されて育った人物は本当に罪を犯すことが少なくなるのか。

 信憑性のあるデータを得られるかは不明であるが、先日死体遺棄容疑などで逮捕された人物の趣味を論い批判を受けて謝罪した日本の新聞社にはぜひ追跡していただきたい。


【食日記】

朝:ヌク

昼:豚玉(大阪風)、焼きそば、ご飯2(高菜付)、味噌汁、ピーマンのチーズ肉巻き、烏龍茶、珈琲

夕:ささみ揚げ(梅しそ)、おろし豚しゃぶ、豚汁、ルーローハン(小)、冷やし蕎麦(おろし入り)、ウィスキーお湯割り3

他:タリーズブラック

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