第76話 契約書の文面を黙読する時間を下さい(8月30日)

 行きつけのガソリンスタンドが少々離れており、繁忙期であるため通勤途中にあるところを利用しているのだが、セルフ式のスタンドがこれほどまでに選択を強要してくるものかと驚かされる。

 支払い方法と給油ほうほうの選択は分かるのであるが、ポイントカードや値引きバーコード、アプリの利用など様々に確認を強いてくる。

 時間にゆとりのある時であればまだしも、急いでいるときにこれをやられてしまえば焦りが苛立ちを呼び起こしてしまう。

 やがてレシートが出てくるのであるが、この下にもアプリの導入を求めるQRコードが印刷され、それでさらに時間を食うことになる。

 値段が印字されたと思ってレシートに手をかけたところ、その印字の最中であったらしく、白いレシートを長々と引き出してしまった。

 恥ずべき行いであるのが、それ以上にこの面倒臭さは心を怒りで満タンにしようとしているのかと疑うほどであり、苦笑よりもより低次の笑みが零れてしまった。


 確認というのは大切なことであるが、その塩梅というのは難しい。

 欠いて相手方に損があればクレームの素になり、長ければ忌避に繋がってしまう。

 ちょうど良いというものがあれば良いのであるが、残念ながらそれが人によって異なるため企業は頭を悩ませるのだろう。

 私もまた同じことに頭を悩ませることが多々あり、仕方のないことかと頷かざるを得ない。


 もう少し余裕を持って生きねばと思いつつ、まだまだ修行が足らぬと笑う。

 私もまた有象無象の一人にすぎない。


【本日の出来事】

◎二階幹事長交代容認へ

 岸田氏への改革案に対して反対を述べた二階氏が、あっさりと交代を容認した背景には「寝技」があったのかもしれないが、この根回しが「実務」に当たるのだろう。

 逆に、岸田氏の真の狙いがこの連携による二階幹事長崩しであったとすれば、それはそれで面白い。

 無論、投票の動向については全く別となるが、裏で血生臭い人間のやり取りがあるのが政治の歴史であり、最も面白いと思うところでもある。

 なに人間の本質など百年そこらで変わるものではない。

◎七十代男性 九十代女性への強盗殺人で逮捕

 奪い取った金は僅かに二千円というが、貧しさや欲得というものは容易に人を獣に変えてしまうらしい。

 それを善悪の彼岸で押しとどめるのが人という生き物なのであろうが、薄皮一枚剥げばより血生臭い本性が眠っている。

 元よりそうした人間であったと言い切ってしまうのは容易であるが、常の自省を以って挑まねばどのようになってしまうか分かったものではない。


【食日記】

朝:ヌク

昼:唐揚げ弁当

夕:ミニぶっかけ蕎麦、豚バラ肉の野菜炒め、ウィスキーお湯割り3

 豚の三枚肉を五ミリ幅ほどで切り、それを軽く炒めてから野菜を加え、ウェイパーで味を調えただけであるが、見事に酒が進んだ。

 ひと工夫はしているが、程よく単純であるのが堪らない。

 ここ暫く脳を酷使していたため、程よい休みとなったであろうが、肝臓に休みを与える余裕がないのはいかんぞうと言われそうである。

他:おーいお茶

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る