第67話 一休みひと休み(8月21日)
高校時代、合唱コンクールの直前になって一部の生徒がそれに手話をあてがい、合唱に合わせて用いることとなった。
そもそもからしてそうしたイベントに懐疑的であったのだが、事を荒立てる気も起きなかったためそれまでは従容として合わせていたように思う。
声の大きい音痴であるため役に立つのか立たぬのかは分からぬものの、できることはこなそうと努めていた。
それがこの時ばかりは、明確に反抗する意思が芽生えた。
そこで真直ぐに反論をせず当時の担任に相談したというのは、我ながら多勢に無勢ということを知っていたからであろうか。
いずれにせよこの時は宥められ、無暗に和を乱さぬ方が得策であるということを説き伏せられ、その点だけは納得して練習に参加した。
そして当日、私は練習の成果を出すことなく欠席し、家で静かに笑う。
おそらく明確な病名もなく学校をサボタージュしたのはこの時が初めてであった。
確か、担任には明確にこのことを告げて欠席したように思う。
それを笑って受け入れた担任も薄々勘付いていたのかもしれない。
パラリンピックでは、十七万人の児童が学習の名目で観戦に動員されるらしい。
これに対して無観客との整合性が取れぬと思うのは明確であるが、これを強行するようであれば当時の私は容赦なく学校を休んだことだろう。
学校に行くなど細事に過ぎず、時に休むのであれば然程の問題はない。
これが続けば必要な思考能力やその材料を得る上で支障を来しかねず、別の対策が必要があるが、過ぎた理不尽に付き合うよりは己が信念を護った方が良い。
ただ、あくまでもその判断は本人がするべきであり、保護者がその思想を以って縛るのはいただけない。
とはいえ、今回に限ってはそれを教育側が成そうとしており、よもやどっちもどっちの様相を呈している。
果たしてどの程度の児童が競技場に集うのか、見ものである。
そして、意思を持ってみることもまた私は応援しよう。
ちなみに、先の反抗の要因は手話を単純に平仮名として充てたことにある。
せめて、手話の多彩さを理解し、適した表現を当て込んでいれば頷けもしたのであるが。
結果、私のクラスは審査員特別賞なるものを得たようである。
明けた日の国語の授業にて教師が、
「あの賞はパフォーマンスありきだから、ずるいんじゃないの」
と言っていたのが今でも私の心に残っている。
【本日の出来事】
◎長崎大司教区二億円超無断流用に対して「全額回収」を断念
五十代の司祭が二億を流用したとされるが、それだけの金をあの地でよくもまあ貯め込んだものである。
それこそ免罪符などを売り出している頃であれば分かるが、知らぬだけで実際にはそのようなものがあるのかもしれない。
金の落ちる音で魂が救われるという言葉に笑った私は、昨日、加藤神社に五円玉を放ってきている。
◎金融庁 みずほ銀に対してシステム障害の報告命令
よく見る話だなと思っていたが、今年五回目とのことである。
最早日常茶飯事ということなのだろうが、それが茶飯事になってしまっていいのかと言えば首を傾げてしまう。
いずれにせよ、当選する予定のサマージャンボの受け取りに支障がなければよいのだが。
【食日記】
朝:大きなメンチカツ
昼:のり弁、豚ねぎ蕎麦、野菜ジュース
夕:とんかつ3枚、鯖マカロニサラダ、ウィスキーお湯割り3、チョコホイップコッペ
他:おーいお茶、タリーズブラック
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