第63話 一人であっても登山して水涸れる(8月17日)
日本史を見返してみると、江戸時代のシステムというのは中々に巧妙を究めており、その実は緊急時の対応力の高さに凝縮されているように思う。
御三家が主家の断絶の際に支えとなるよう設けられたのはよく知られているのdが、それ以上に近ごろ面白く感じたのは大老の制度である。
鎌倉時代も室町時代も将軍の下で政治を取り仕切る役職に一人就くが、江戸時代はそれが常時五人ほどとなっている。
これが老中であるのだが、叡智を合わせて事に当たるというのはいかにも日本人らしい発想である。
それぞれに担当する内容が異なっていたとしても大きな問題ではない。
実際に将軍が政務に関わる割合が低くなった時、決断の元になる思考が複数人から出されるというのは調和がとりやすくなる。
その一方で、最大の非常時には大老という臨時職が助言を行い、その方針を一本するというのは危機対応において速さが求められる際に大きな力を発揮する。
いつもより多人数の協議をとなると船が山に登ってしまい、二進も三進もいかなくなるが、拙速にせよ早く動けるというのは重要である。
このような制度を国家が整備していた例となると、私がよく知るのはローマ共和国の独裁官とヴェネツィア共和国の制度である。
日本だけ封建制というのが面白いが、考えようによっては日本は元々から寡頭制であったのかもしれない。
悪ふざけが過ぎたが、江戸期から百五十年ほどが過ぎた現代において多数で山に登ろうとしている現実が目の前にある。
諮問を続けていくことも重要なのであろうが、この登山の先に金角湾が見えるとはどうしても思えないのである。
【本日の出来事】
◎週刊文春・週刊新潮 中吊り広告終了へ
広告への投資をウェブに切り替えていくためとあるが、これ自体は納得できる内容ではある。
情報を得る手段としては紙よりも電子媒体の方が容易であり、この流れは代えられそうにもない。
営利企業としては当然の決断であり、今後の展開が期待される。
ただ、それを今の時期に行うことに対してはいささか疑問だ。
長年連れ添ってきたはずの鉄道業界がコロナにより苦しむ中で、打ち切るというのはあまりに一方的な離婚ではないか。
相手方の不義理であれば分かるが、文屋に人の気持ちは分からぬと揶揄されても致し方あるまい。
◎「雨上がり決死隊」解散報告
そして、その相手方の不義理による離婚の最たる例が同日に出てくるとは、何とも皮肉なものである。
とはいえ、不義理を重ねた人の方が栄達を果たしていくことがあるのが人の世というものでもある。
私はほとんどユーチューブもテレビも見ないために、今後どのようになるかは恐らく風の噂で耳にすることになるだろう。
その時、果たして二人がどのような活動をしているかは知れるが、幸せかどうかは画面の向こうに事実があるのみである。
【食日記】
朝:チーズバーガー
昼:ごつ盛り味噌、から揚げ、梅ひじきおにぎり、野菜ジュース
夕:ポークソテー3、大根サラダ、卵かけご飯、米焼酎2
疲れる日々が続く時は何よりも豚である。
安さも魅力であるが、何より得られる栄養が嬉しい。
疲れきった後であれば牛により気力の回復を図る方が良い。
他:おーいお茶
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