第二十八章 収束する脅威

第392話 姉妹の暇潰しと勇者候補の進む道1

※第ゼロ話の①キャラ別立ち絵で、マリアンデールが追加されています。

https://kakuyomu.jp/works/16816452220999346801/episodes/16816927862577193579

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 時は遡ること三週間ほど前。

 別行動の魔族組とリリエラは、新たに従者となったフィロを加えて、ドワーフの集落へ来ていた。

 魔族組とは言うまでもなく、マリアンデール、ルリシオン、シェラである。


「リリエラの様子はどうかしら?」


 この一行は、ドワーフ王ガルドの屋敷で一室を与えられている。

 マリアンデールはテーブルへ両肘を置きながら、眼前に立っているフィロへ話しかけた。フォルトからは、レンジャーの先生をやらせるように言われている。

 訓練も集落の近くで行うようにとも。


「順調とは言い難いですね。レンジャー以前の問題です」

「そう。基礎的な戦闘訓練からってことね?」

「はい。多少はやっていたようですが……」

「お遊びみたいなものだったしね」

「染まっていないぶん、教えやすいとも言えますが……」

「ふふっ。緊張しなくていいわよ。責めてるわけじゃないわ」

「はっ、はい!」


 フィロを見ると、マリアンデールを怖がっている。

 圧倒的な魔族の強者で、魔人のシモベとなった悪魔でもある。いつ殺されるかヒヤヒヤしているのだろう。

 そういったことが緊張として表れているのだが、こればかりは慣れてもらうしかない。大人しくしていれば、殺すつもりはない。

 それにフォルトから、絶対服従の呪いを受けている。秘密を誰かに話さないことを命令されているのだ。

 彼女は頭が悪いわけではないので、他人へ話さなくても、この場から逃げ出したら始末されることを理解している。


「暫くは、チョンチョンだっけ? あれで鍛えなさい」

「分かりました」


 集落の近くには、チョンチョンという魔物が棲息せいそくしている。

 推奨討伐レベルは十と、その辺の一般人でも倒せる。人間の顔だけの魔物で、獲物にみつくだけの魔物だ。大きな耳を使って、蝶々ちょうちょのように飛ぶ。


「他の魔物では?」

「ふふっ。二度手間は避けたいわ」

「二度手間ですか?」

「人間の特徴を持った魔物を使いなさい」

「ゾンビとかですか?」

「この辺にはいないけど、躊躇ちゅうちょなく殺せるようにね」

「っ!」


 マリアンデールの狙いは、人殺しに対しての忌避感を薄めること。

 普通に町や村で生活している人間ならば、あまり縁のない話かもしれない。しかしながら、いずれリリエラも、人間を殺すときがくるだろう。

 これは、フォルトに余計な気遣いをさせたくないといった思いからだ。妹のルリシオンも同意見であり、シモベのきずなが深いことをうかがわせる。


「お姉ちゃん、お茶が入ったわよお」

「お待たせしましたわ」

「ああん! ルリちゃん、待ってたわ!」


 フィロと話していると、ルリシオンがシェラを連れて部屋へ戻った。それから、マリアンデールと同じテーブルに着く。

 こういったものは、本来であれば従者が用意する。とはいえ、それをやらせる必要はない。可愛い妹の趣味を邪魔することはできないのだ。

 溺愛しているのだから。


「何の話をしてたのお?」

「リリエラの訓練についてね」

「モノになるのかしらねえ」

「さあ」

「忍者? くノ一だっけえ? 聞き覚えのない職よねえ」

「フィロ、レンジャーとは違うのよね?」


 日本でいうところのレンジャーは、簡単にいえば、自然保護官のことだ。どちらかと言えば、エルフ族やダークエルフ族が該当するだろう。

 こちらの世界のレンジャーは、自然環境下での探索や狩猟を目的とした職業だ。動物の足跡を見つけたり、食用になる草木を見分ける。

 また危険感知能力や生存能力も高く、野外活動のスペシャリストだ。


「被る部分はあるのですが、どうも諜報員ちょうほういんのようです」


 忍者やくノ一は、諜報活動・破壊活動・浸透戦術・暗殺などを仕事とする職業だ。こちらの世界では、諜報員が該当する。

 レンジャーと被る技術はあるが、根本的に違う職業だった。


「異世界に存在する職ね。興味深いわ」

「とりあえず、レンジャーの技術だけでいいと言われました」

「そう。なら、そうしてちょうだい」

「分かりました」


 フォルトの話で、異世界が絡むものは理解が難しい。

 異世界人からもたらされる情報のほとんどは、エウィ王国で秘匿されている。魔族や獣人族などには伝わっていない。

 本人は説明下手だが、アーシャから聞くことで、なんとかこちらの世界のものへ落とし込めている。


「ところでマリ様、リリエラさんはどちらに?」

「あら。シェラには分からないかしら?」

「服飾師の所ですか」

「ふふっ。出てきなさい」

「え?」

「はっ、はいっす!」


 シェラの問いに答えたマリアンデールは、フィロの隣の空間を見ている。すると、何もなかった空間に、太ももを擦りながらリリエラが現れた。

 エロくノ一セットを着ており、露出の激しい忍者着の下にはハイレグ型のボディストッキングを着込んでいる。

 それが股間に食い込んでいるようで、足を内股にしてモジモジしていた。


「あ、あら」

「シェラも訓練が必要なようね」

「す、すみません」

「魔力探知は、常に一定の距離をね」

「はい」


 気付いていないのは、シェラだけだった。

 ルリシオンは当然として、フィロは感知能力が高い。兎人うさぎびと族としての能力とレンジャーとしての技術である。

 ただ消えているだけであれば分かってしまう。


「魔道具を持っていましたわね」

「そうっす。透明化と静寂の魔道具っす」

「便利だけど、魔力探知には意味ないわね」

「そうみたいっすね」

「服は?」

「コルチナさんが作業を開始したっす」

「ふーん。フィロの分もあるのよね」

「あるっす」

「私は要りませんよ!」


 リリエラの服装を見たフィロが一歩下がる。

 フォルトからも、破廉恥な服を作ると言われた。事あるごとに拒否しているが、残念ながら聞き入れてもらえない。


「諦めるっす」

「そんな……。リリエラ様まで……」

「敬称は要らないっす。普通に話してほしいっす」

「で、できませんよ!」

「マリ様、いいっすよね?」

「いいわよ。あいつも喜びそうだしね」

「ありがとうっす!」


 リリエラは玩具から身内になった人間だ。

 玩具だったときは、レイナス、アーシャ、ソフィアに面倒を見てもらった。しかしながら、多少の距離を取っていた。現在は平気なのだが、フィロには身内とは違う感情を抱いている。

 それは……。


「友達になってほしいっすね」

「友達ですか?」

「硬いっす」

「うぅ……」


 フィロはマリアンデールとルリシオンの従者。いきなり友達になろうと言われても、なかなか踏ん切りがつかないようだ。

 そこで、一石が投じられた。


「怖がりね。なら、二人で訓練をやってきなさい」

「はいっす!」

「分かりました」


 マリアンデールに命令されたリリエラは、フィロを連れて部屋から出ていく。

 二人きりになれば押し切るだろう。玩具だったときも、フォルトからのクエストをやり遂げている。積極性は高いほうだ。今もおねだりするぐらいになっている。

 これには、笑みを浮かべてしまう。


「お姉ちゃん、リリエラが気に入ったのかしらあ」

「気に入ったというよりは、あいつの適当さ加減がね」

「あはっ! 分かるわあ」


 マリアンデールの言葉に、ルリシオンが相槌あいづちを打つ。

 リリエラを使ったフォルトの遊びは、奴隷からの成り上がりゲームだ。魔人の身内ということは別にして、まだ成り上がっていない。

 現在は方向性が決まったようなので指示をもらっているが、面白い方向へ成長を始めていた。

 大笑いするほどでもないのだが、なんとなく可笑しいのだ。


「マリ様、どなたかがこちらへ」


 先ほど言われたとおり、シェラは魔力探知を広げている。

 一定の距離とは、部屋を出た通路の半分ぐらいを指している。こちらに近づく者がいれば、気付いて警戒できる範囲だ。

 リリエラやフィロとすれ違った何者かが、魔力探知の網に掛かった。


「真面目ね。ガルドよ」

「あら、それでしたら出迎えますわ」

「いいわよ。勝手に入ってくるわ」


 マリアンデールが口に茶を含んだ瞬間。部屋の扉を開けて、予想通りのドワーフが入ってきた。

 王冠をかぶり、紋章入りのマントを羽織っている。


「マリ、ルリ! おったか」

「ノックもせずに入るなんて、デリカシーがないわねえ」

「ガハハハッ! 気にするな。嬢ちゃんたちが出てったばかりだ」

「ガルド王、こちらへお座りください」


 相変わらず王様としての自覚がないガルドは、シェラに勧められた椅子へ、ドカッと座った。

 その後は出された茶を、一飲みで空にした。


「ぶはぁ! もう一杯入れてくれるか?」

「はい」

「何か急ぎの用でもあったのかしら?」

「うむ。ちと相談があってな」


 どうも、ガルドは走ってきたようだ。一息ついたところで、マリアンデールとルリシオンへ目を向ける。

 それから、相談事を話し出した。


「悪いのだが、調査隊の護衛を頼みたいのだ」

「調査隊?」

「うむ。先代が目を付けていた鉱山があってな」


 フェリアスの各地には鉱山がある。

 ドワーフ族は、そういった場所の周辺に集落を持つ。そこで採れた鉱石を使って、様々なものを作製するためだ。

 武器や防具、装飾品は言わずもがな。鍋や包丁、食器類に至るまで。ドワーフ製の商品は質が高い。

 鉱石の埋蔵量としては、鉄が一番多い。もちろん、ミスリルやプラチナなどの、希少なものも採れる。

 それらで作った武具は高価だが、金銭に見合う価値がある。


「護衛なんて、私たちがやるわけないじゃない」

「そう言うと思ったがな。ちと我らでは難しいのだ」

「へぇ」

「向かう鉱山の近くにな。ヒドラの巣がある」

「九つの首を持つ蛇だっけ?」

「うむ。首の数は確認できておらぬがな」


 ヒドラとは湿地帯に棲息する魔物で、巨大な胴体に多くの首を持つ水蛇だ。

 再生能力に長け、首を落としても、すぐに再生する。胴体に付いている首の数で、強さが変わる。

 それぞれの首は、毒や泥水など、さまざまな効果を持つブレスを吐く。


「巣は湿地帯にあるが、他にも多くの魔物がおってな」

「ふふっ。ドワーフだけじゃキツそうねえ」

「どうだ。やってくれぬか?」

「ヒドラを倒せばいいのかしら?」

「いや。わざわざ倒さなくても良い」

「ふーん。襲ってくる魔物だけでいいのね?」

「うむ」

「お姉ちゃん、どうするう?」


 マリアンデールは考える。

 湿地帯は平野部以上に、危険な魔物が棲息している。推奨討伐レベルの高いブラックヴァイパーはもちろん、アーマーゲーターやローパーなどもいる。魔法の武器でしか倒せない魔物も存在する。

 非常に厄介な場所だった。


「シェラのレベル上げには良さそうだけどね」

「リリエラは連れていけないわあ」

「そうなると駄目ね。近くにいてあげないと……」


 リリエラが一人で身を守れるなら、一考の余地はある。しかしながら、現状で何かあれば、少々困ったことになる。

 身内に何かあった場合は、魔人の憤怒が顔を出すだろう。マリアンデールとルリシオンは、フォルトの怒ったところを見たことがない。それでも魔人として考えると、災厄をき散らされる可能性が高い。

 憤怒の魔人グリードは、魔道国家ゼノリスを滅ぼしたのだ。


「うーむ。警戒し過ぎではないか?」


 ガルドが言った警戒とは、フォルトのことではない。魔人の件は知られていないので、リリエラを過保護にしていると感じたのだろう。


「リリエラは普通の人間よ。ゴブリンが相手でも死んじゃうわ」

「ティオのように強くないしねえ」

「だが、集落で危険などないぞ」

「過保護なのは分かってるわよ」

「ならば、ワシが責任を持って預かろう」

「ガルドが?」

「うむ。もともと客人だしな。明言してやろう」


 ガルドに言われなくても、姉妹は分かっている。

 ドワーフ王の御膝元で、客人待遇の人物を害する者などいない。それなりに人口は多いが、全員が顔見知りである。そういった部分は、開拓村に近い。

 それにドワーフ族は、人間と比べると頑強だ。集落周辺の魔物であれば、簡単にあしらえてしまう。

 王様が自ら責任を持つならば、安心して預けられるだろう。


「明言ねえ。何かあったら、ガルドでも殺すわよお」

「ガハハハッ! 嬢ちゃんは気に入ってるからな。任せておけ」

「ふふっ。なら任せるとして、報酬はあるのかしら?」

「そうだな。アダマンタイト製の武具でどうだ?」

「アダマンタイト?」

「埋蔵量は分からぬが、先代の資料にはあると書かれていた」

「あいつなら喜びそうね」

「あはっ! いいんじゃないのお。私たちは要らないけどねえ」


 ルリシオンは、バグバットから贈呈されたフレイムスタッフを触る。

 マリアンデールもミスリルの拳を受け取っており、現在は変える必要がない。硬度で言えば、アダマンタイトのほうが硬くて丈夫だ。しかしながら重さであれば、ミスリルのほうが軽い。

 近接戦闘をするので、軽い武器のほうが良いのだ。


「しょうがないわ。ガルドの頼みだしね」

「暇だったしねえ」

「助かる。ワシが行ければいいのだがな」

「放浪癖も場所によりけりね。魔物の領域は駄目でしょ」

「ガハハハッ! では、出発は明日だ」


 リリエラを鍛えるのは、フィロへ丸投げしている。

 数週間には幽鬼の森へ戻るが、それまでは暇だった。ドワーフ族の集落だけでは、暇を潰せない。

 そこへ舞い込んできた面白そうな依頼である。報酬も、フォルトが欲しがりそうなものだ。帰った後の土産話にもなる。

 そう思った姉妹は、楽しそうに笑みを浮かべるのだった。



◇◇◇◇◇



 世界樹が存在するエルフの里。

 里の東にはルイーズ山脈があり、そこから東の海へ向かって、ルイーズ川という大河が流れている。日本でいうところのアマゾン川だ。

 山脈が川の源流になっている。山頂近くに巨大な穴があって、水が湧き出ていた。その湧き水は大河を通って海へ出るが、途中で何本もの支川へ分かれる。

 その川沿いは、蜥蜴人とかげびと族の集落が点在している。


「ミリオン、ちょっと来てください」


 そのルイーズ川を越えて北へ向かった上空に、二人の有翼人が飛んでいた。

 一人は長い茶髪をなびかせて、白い翼を羽ばたかせている女性だ。ミスリルのやりで地表を指し、ミリオンという男性を呼び寄せた。

 女性に呼ばれた緑色で短髪の男性は、茶色い翼を羽ばたかせている。手に持った槍をダラリと垂らして、女性へ近づいた。


「ホル……。んんっ。団長、なんですか?」

「今はホルンでいいです」

「ははははっ! 偵察は俺たちだけだしなあ」


 白い翼の女性が、神翼兵団団長のホルンだ。

 現在は部下で幼馴染おさななじみのミリオンと組んで、フェリアス上空の偵察任務に就いていた。他の団員は、別の場所へ向かっている。


「ハーピーの数が減ってないですか?」

「そうかもしれねえな。全然飛んでねえ」

「討伐隊は……」

「今は休息に入ってるぜ。それにハーピーは、俺らの仕事だ」

「うーん」

「まあよ。降りようぜ」


 有翼人は魔力で飛ばず、鳥のように自らの翼を使う。翼の筋力は物凄く強く、人や荷物も運べる。

 風に乗った滑空状態であれば、かなりの速度が出せる。とはいえ、ずっと飛んでいると疲れるので、二人は近くの木の枝へ降りた。


「グリフォンも報告が上がってたよな?」

「間引きはしましたが、その後にも減ったらしいです」

「なんかの異変か?」

「分かりません。ですが、報告は必要ですね」

「そうだな。大族長会議で取り上げてもらえばいいだろ」


 ホルンとミリオンの仕事は偵察だ。

 原因の究明ではないので、大族長に報告をあげるだけで良い。


「ねえ、ミリオン」

「どうした?」

「シュレッド様は、再婚なされないのかしら?」

「は?」


 シュレッドとは、有翼人の大族長だ。

 年齢は五十歳で働き盛りの後半に入っている。妻を病気で亡くしており、現在は独り身だった。


「暇がねえんじゃねえの?」

「お忙しいのは分かるのですが……」

「まあ、跡取りもいねえしな。次の大族長でも狙ってんのか?」

「そんなわけないでしょ!」


 獣人族も同様だが、有翼人の集落も、各地に点在している。

 集落には族長がおり、その中から大族長は選ばれる。ホルンは神翼兵団の団長とはいえ族長ではない。


「こんなにいい男がいるのになあ」

「は? どこにですか?」

「隣に」

「ミリオンがですか? あり得ませんね」

「言い切りやがったな」

「当たり前です。渋さが足りません」

「渋さ……」

「言葉が軽い。礼儀がなってない。頼りにならない」

「…………」

「包容力も皆無です。良い所が無いですね」

「はぁ、言い過ぎ……」


 ホルンにボロクソ言われたミリオンが、肩を落として溜息ためいきを吐く。

 この幼馴染の好みは知っている。しかしながら、脈はないようだ。それでも、長い時間を一緒に過ごしてきた女性だ。

 ここで諦めるわけにはいかない。


「それにしても……」

「ん?」

「あのおじさまは、今頃どうしてるかしら」

「はあ?」

「確か……。ローゼンクロイツ家の当主様って聞きました」

「まったく。ホルンの趣味は特殊だよ」

「普通ですよ。団員の女性もうなずいてくれました」

「そりゃ団長に聞かれりゃな」

「んんっ! さあ、ミリオン。帰りますよ」

「はいはい」


 ホルンは、ブロキュスの迷宮で出会った中年の人間を思い出す。

 それから翼をはためかせて、空へ飛び立った。後ろからは、頭をきながら、ミリオンがついてくる。

 そして、ルイーズ川を南に越えたあたりで、滑空状態へ入った。


「ミリオン、あれは……」

「うん? 獣人族の部隊か」


 ホルンの眼下では、草を斬りながら進んでいる一団が見える。

 森は木々が茂っているので、よく分からない。しかしながら、人型の男女が、二十人近くいるように見えた。


「もう少し進むと、エルフ族の領域ですね」

「東へ外れてねえか? あっちだと……」

「とにかく確認する! 警戒を怠らないで!」

「わ、分かった」


 眼下を歩く一団へ向かって、ホルンとミリオンが急降下する。

 降り立った先は、一団の先頭を歩く男性の前だ。大柄だが、ビックリした顔をしている。その後ろの荷物を持った集団は、腰を抜かしているようだ。他にも、集団を護衛する男女が驚きながら武器を構えた。

 その中の男性が一人、大柄な男性の隣まで進み出ようとしている。


「動くな! 貴様らは何者だ!」


 そして、ホルンが大柄な男性へ向かって誰何するのだった。



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Copyright(C)2021-特攻君

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