閑話

鏡よ鏡・2


 その頃、王城の一室では――


「なぁなぁ、カガミくぅ~ん。世界でいっちゃんカッコイイんって、誰や思う? あ、ワシ? やっぱワシか? せやんなぁ~」


 うわー、これまためんどくせえヤツが来たよ(ちなみに国王様だ)と魔法の鏡は思った。

 しかも、自分からオチをつけにいきたがるという、質問の体裁をとったウザ絡み。


 だがこうなれば対処は楽だ。


「なに寝惚ねぼけたこと言うとんじゃワレ。鏡見て出直してこいや」


 世の中の命題は、真であることを証明するよりも否定するほうが簡単なのである。


「えぇー。カガミくん、冷たいなあ。さすが鏡やわ。お風呂場行ったら絶対結露するやん。くもり止めスプレー、シューしちゃうゾ?」


「…………」


「……気ぃ取り直して、次の質問行ってみよかー!」


「知らん。質問はお一人様ひとつまでや」


 ちなみに魔法の鏡は、優秀過ぎてトピ主のお国なまりまでリフレクトしちゃうことがあるのだ。



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