第47話 互いの気持ち
真剣な眼差しで見つめられる。
「…だからといって、俺のした事は許される事ではない…。ごめん。」
深々と頭を下げる。
「あのね…、セイラム…。」
私は、セイラムが神歌を終えて、優さんが現れた事まで説明した…。
「そ、そうか…。本当に悪かったな…、さくら…。」
「そんなに謝らないで…。神歌の後は、どうしても欲望を抑えられないっていうのは、私も知ってたし…。優さんの言う通り、私が気を付けなければならなかったの…。」
「さくらは、悪くないよ…。」
「それより…!」
私には、どうしても確かめたい事があった。
セイラムの瞳を見つめる。
「それより…、私の事…好きって本当?」
「え…、今更?」
ポカンとした顔で私を見る。
「今更って…。私、初めてセイラムの気持ち聞いたよ…。」
「え…え…えぇ?」
みるみるセイラムの顔が赤くなる。
「お…、俺の気持ち…、さくらに伝わってると思ってた…。」
「私…、何も聞いてない…。だから私の片思いだと…。」
ハッとして、途中で止まる。
キラキラとした瞳でこちらを見ている。
「本当?さくら…!」
「…う…ん…。」
眩しい笑顔にたまらず、素直になる。
セイラムが私の方にやって来て、思いっきり私を抱き締める。
すっぽりセイラムの中に入り込む。
私もゆっくり、ゆっくりセイラムの背中に手をまわす。
セイラムの感触、匂いが、私を落ち着かせる。
「好き…。」
私の言葉に答えるように、私を抱き締める腕に力が入る。
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