第34話 世界の成り立ち 前編
「どゆこと…?」
変な声のまま、私は、彼女を見る。
ゆっくりと体を私の方へ向け、私と目を合わす。
「あなた達が知っているカミラと私は頭で繋がってます。データを共有しているって言った方が分かりやすいかしら…。」
「はぁ……。」
「ドームのカミラが知ってる事は、私も知っているし、私が知ってる事は、ドームのカミラも知ってるの…。だから、今、無事にここに辿り着いた事は、ドームのカミラも分かっていることになるの…。」
「は…ぁ……。」
「この宇宙中に私の様なカミラが何万といるの…。それを全て取り仕切ってるのがあなた達が知っているカミラ…。私達はマザーって呼んでるわ。」
「な…ぜ…?何万もいるの…?」
彼女の言ってる事がこれっぽちもわからない…。
セイラムも黙ったまま…。
ノア兄ちゃんは、何とは無しにわかってる感じで、彼女の話に耳を傾けている。
「この宇宙には、あなた達みたいに自分の星に住めなくなった難民がたくさんいるの…。そういった人達を未開の星の未開の地で居住空間を作り、保護する団体が作られた。私達はそこで造られたロボットという事…。」
「はぁ……。」
話が大きすぎて、わかんない……。
「要するにあんたら団体は、俺達難民を救出するという名目で、ドームで飼っているっていう事だろ?何かの目的で…。」
「え…っ。」
何かとてつもなく怖い事言ったけど、この人…。
ノア兄ちゃんを見る。
彼女は、ノア兄ちゃんの方に体を向け、一度目を閉じる。
それから、ノア兄ちゃんをまっすぐ見る。
「……無いことも無いわね。」
ゾワッと背筋が寒くなるのがわかった。
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