第33話 彼女の正体
「カミラ…、なの…か?」
セイラムが確かめるように問う。
カミラ先生の訳がない…。
私達は、十日程前確かにカミラ先生に見送られて、ドームを出た。
あれから、約十日間、北へひたすら進んできた。
長い長い道のりを…。
カミラ先生な訳がない…。
「ふぅ…。私は、ある意味カミラでもあるし、そうでないと言えばカミラではないわね…。」
そう言うと、部屋のど真ん中にあるテーブルにそっと手を置き、目を閉じる。
???
よくわからないセリフで、セイラムの問いに答える。
見た目、声は、ほんとにそっくり…。
ただ、口調がカミラ先生より優しい…。
所作も何となく優雅だ…。
「それは、一体どういう事…?」
セイラムが続けて問う。
彼女は目を開け、セイラムをまっすぐ見る。
「私は、あなた達に初めて会うが、あなた達の事は全て知っています。」
「「え…っ。」」
三人揃って声が出る。
彼女は、セイラム、ノア兄ちゃん、私の順に目を見る。
「私の名前はカミラNo.《ナンバー》2。あなた達が知っているカミラの頭の中は、私も知っているし、私の頭の中の事は、あなた達のカミラも知る事になる。」
「カ…ミラ…No.…2…?」
セイラムが訳が繰り返す。
「…そう…いう…事か…。」
ノア兄ちゃんだけが納得する。
カミラNo.2と語る彼女は、ノア兄ちゃんを見る。
「ノアさんはわかったようですね…。」
初対面の私達の名前を言い当てる。
「セイラムさん、さくらさん、ハッキリ言いましょう。」
私達の顔を交互に見る。
「私は、人口知能を持つロボットです。」
「「へ……?」」
セイラムと私の口から変な声が漏れる…。
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