第32話 小屋
「小屋だ…。」
小さく呟く。
私達の目の前に、小さな古い小屋があった。
ドアは西側に、一つ。
南側と東側に小さな窓が一つずつ。
物置に使っているのだろうか。
とても住めるような広さではない。
とりあえず、敵が大勢出てくる…という状況は避ける事が出来そうだ…。
あの小さな窓から、小屋の中を覗いて見ようか…。
私が一歩前へ進もうとすると、ノア兄ちゃんが私の前に手を出し止める。
「俺が行く…。」
ノア兄ちゃんが前へ出る。
小屋に向かおうと一歩前へ出た時、
カチャ…。
小屋のドアが開く。
!!
中から一人の人間が出て来た。
女性だろうか…。
足首まであるワンピースを着ている…。
顔立ちまでは、分からない。
逃げるべきか…。
そう、構えた時、
「お待ちしておりました。」
その人は、一言私達に言った。
え……。
聞き間違いであろうか…。
待っていたってこの人、言った?
私達は、ピタリと止まる。
「どうぞ…。」
そう言って、ドアを開けたままその人は小屋の中へ入って行った。
私達は、それぞれ目を合わす。
頷く。
入って行こう。
ノア兄ちゃん、セイラム、私の順で入って行った。
「お前はっ!!」
一番先に入ったノア兄ちゃんが叫ぶ。
何事?と思いノア兄ちゃんの視線の先を確認する。
!!!
「カミラッ!!」
思わず、セイラムが叫ぶ。
そう、その人はカミラ先生にそっくりだった
。
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