第30話 ゴールは近い?
ドームから出て、何日たったのだろうか。
オアシスに着く度、セイラムとノア兄ちゃんは剣術の稽古をしている。
肌が白く、細かったセイラムは、ノア兄ちゃんに負けず劣らずの筋肉ムキムキに…。
背も伸びて今は、ノア兄ちゃんよりも大きい。
大きく、逞しくなったなぁ…。
しみじみと思う。
「ご飯、出来たよ~。」
掛かり稽古をしている二人に声掛ける。
「「お〜…。」」
最近は、すっかり仲の良い二人。
今回のオアシスは、規模が大きい。
うさぎみたいな小動物もいて、何と、セイラムが捕まえて、捌いてくれた。
「はーい。蛋白質たっぷり汁です。」
「おっ。セイラムが捕ったやつな…。」
「美味しいな…。」
「セイラムのおかげだよ…。」
美味しいと言ってくれたセイラムに笑い掛ける。
「こういう小動物がいるってことは、随分環境が良くなってきている証拠だ…。いよいよ近いな…。」
「確かに…、植物の声、段々様子が違ってきた…。」
「相変わらず、砂漠しかないが、コンパスも真北を指すようになってきたし…。条件は、良くなってきた…。」
「ゴールは近い…?」
「「……だと、いいけどなぁ〜…。」」
私の問いに、二人がハモる。
三人顔を見合わせて、笑う。
今日も私達は、生きている。
そう、素直に感じた。
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