第52話 接触

 翌、紫陽月しようづき(6月)12日 朝 午時ごじ一つ時(午前11時頃)


「う、ううーん」

 聖魔騎士シン・セイ・ラムザが、宿屋のベッドで寝返りをうつ。



 ヒューーーーーーーッ、バン、バンバンバンッ!

 

 大きな音が、突然鳴り響いた。



「何だ!」

 シンが、ガバっとベッドから起き上がり、両開き出窓の窓を開けて慌てて外を確認する。


「花火・・・」

 空に花火の硝煙が舞い、低い音が幾つも響いていた。それに、人々のガヤガヤとした喧騒の音も混じる。



 そこに、獣人族の女の子キラが眠い目を擦りながら、起きてきた。


「シン?」

 声をかけられて、シンは、キラの方を振り返る。

「わあーっ!何で、キラ、何も着ていないの!」

 シンは、急いで、キラが床に脱ぎ散らかしていた寝間着を取り、着せた。

 キラは、気にせず、眠い目をこすり、欠伸をしている。

「もう、キラは女の子なんだから、ちゃんと服を着ないと・・」

「別にシンなら、キラ気にしないよ」

「え?僕だから?僕じゃなければ、ちゃんとするの?」

「キラは、だからシン以外には裸は見せない」

 そう言うと、シンに抱きついた。

 うれしいような気もするが、複雑な気持ちにシンはなっていた。


(別にキラは自分のものなどではない。キラは、奴隷などではない。自由なのだから。たまたま自分が助けたからそう思っているだけだろうか・・・)

 この事はわからせないといけないと思ったが、今は置いておこうとシンは思った。




 昨晩遅くに領都カラムンドには辿り着いたが、もう都市まちの城門が閉まりそうな時間だった。何とか衛兵に事情を説明し、領都に入ることができ、取りあえず宿屋の場所を聞いて、少し中心地から外れたこの宿屋に転がり込んだのだ。



 シンは、蒼い騎士の軽装鎧を着てその上に白いローブを纏う。

 キラは、シンに買ってもらった黄色のフリルのシャツに紺色の裾の短いスカート(といってもキラが長い裾を破ったせいだが)を着る。茶色の革靴をキラは嫌がったが、街中では裸足はダメとシンにダメ出しされて、いやいや履いた。



 そして、二人は宿屋の2階の部屋から階段を降り、受付に行く。


「おはようございます」

 と言っても、もう昼近かった。

 シンは、宿屋の主人に挨拶をする。

「おはよう。よく眠れたようだね」

「はい、おかげさまで。外がやけに賑やかですね。花火も上がったりして」

「ああ、そうさ。今日は、カラムンドはお祭りのようなものだからな」

「へえー、何のお祭りですか?」

「今日は、戦勝の祝いよ。カラミーアに侵入してきたガラマーン軍を撃ち破ったな」

「そうなんですね。どおりで賑やかなわけだ」

「ああ、只、ガラマーン討伐の立役者のアナスターシャ・グイーン卿は来られないらしい。残念だよ」

「ああ!噂の『アマルフィの戦乙女ヴァルキュリア』ですね」

「おうよ、あの方がいればアマルフィは負けたりするものか。あーあ、凱旋したところを、一目見たかったぜ」

 宿屋の店主は残念そうに嘆息する。

「それは残念ですね」


「でもな、剣聖スフィーティア様がいるんだよ」

「剣聖スフィーティア?」

「ああ、スフィーティア・エリス・クライ様。このカラミーアに出現したドラゴンを一月も経たない内に3体も討伐したということだ。まあ、そのうち一体の襲撃で近くのリザブ村が壊滅しちまったがな」

「リザブ村に現れたドラゴンを倒した剣聖ですか?」

「ああ、そうだ」

「その剣聖は、今どこに?」

「城にいるだろうな」

「城に・・」

(では、エリーシア様は、そのスフィーティアという剣聖と一緒に。スフィーティア・・・。)

「・・・ティア・・・」


「え?」

「あ、いいえ。何でもありません」

(何を考えているんだ、僕は。スフィーティアという剣聖があのティアな筈があるわけがない)


 シンは、その考えを払しょくするように首を横に振ったが・・・。



 幼少の頃隣の家に住んでいた金髪ブロンドの美しい少女のことを思い出していた。


 その少女とは2年ほど一緒に過ごした幼なじみだった。何かとシンの面倒を見たがるお節介な少女でいつも一緒に過ごしているうちにシンは少女に惹かれていった。しかし、ある事をきっかけに、突然少女は、連れて行かれてしまい、それっきりとなってしまった。

 しかし、シンは、どうしてもその少女にもう一度会いたかった。そして、その少女を見つけ出そうとした。聖魔騎士になったのも、自分が立派になれば、少女と会えると考えたからだった。シンは、時間ひまをみては、少女を探した。しかし、何の手がかりも得られなかったのだ。



 だが、今はそのことは置いておこう、任務が優先だ。キラのこともある。


「こんなだからな。是非商業区の市場広場マーケットプレイスに行ってみると良いぜ。今日は無礼講で酒も食べ物も振舞われからね。只で飲み食いできるぜ」

「それは、楽しみですね。用事もあるので、済ませてから後で行かせてもらおうかな」

「そうするといいよ」




 宿で遅い朝食とも昼食とも言える食事を終えると、シンとキラは、宿を出た。


 領都南の門から市場のある広場を経て城へと続くメイン通りは、アマルフィ王国の不死鳥がデザインされた青い国旗やカラミーアの鷲の横顔が幾何学模様で描かれた赤い伯爵旗が何本も両脇に並んでいた。そして、市場広場に納まらなかった出店が、通りにも並んでいて、人々が行き交う。


 シンは、宿の主人に城への道を聞いていた。


 市場広場は避けて、裏道から階段を上がり、メイン通りに出たのだが、そこにも出店が見られ、人々が行き交う。


「広場は、すごい人だな」

 階段を上り切った所から振り返り、市場の方を見下ろした。



 メイン通りに出ると、シンには、薄灰色の帯が城へと続いているのが視えた。

「間違いない!」


 シンだけが視える。


 それは、実際の視覚情報ではない。それは、超常的な感覚からくるものだ。眼に見えるものとその感覚が合成されて彼には視えているのだ。これは、能力の差はあるものの聖魔騎士なら身につけておく能力スキルである。しかし、この帯というのは、いつも視えているわけではない。無意識からから呼び起こす能力とでも言えば良いか。



 その時、キラが、突然城の方に向けて駆け出した。

 その速さは子供のものではない。


「キラ?」

 シンが慌てて追う。



 キラは、城に入ろうとして、衛兵に止められていた。

「何だ?この獣人の子供は?」

 シンが追いつく。


「すいません。この子は僕の連れなんです」

「困るよ。ちゃんと見ていてくれないと」

「シン、この中にいるよ」

 キラは、城の中の方を指さす。

「え?」

「シンの探し物、この中」

「!」

「何言ってんだ?この子は?」

「あ、いえ。城には入れませんか?この子も城の中が見たいんですよ」

「何だい?あんた、城の誰かと約束でもあるのかい?」

「いいえ、そう言う訳ではないのですが・・・」

「だったら、ダメだ。いまは戦時中なんだよ」

 衛兵は、首を横に振り固く応じない。

「そうですか」

 シンは唇を噛む。


 一層自分が聖魔道教国ワルキューレの聖魔騎士であることを明かそうか、とも考えたが、に動いているため止めた。身分を明かすには、教団本部に確認する必要もある。

「失礼いたしました」

 シンは頭を下げると、二人はその場を去った。



 城の城門を離れ、メイン通りを少し降って行くと、シンはキラの方を向く。

「キラ、僕の探し物って何かわかるの?」

 キラは首を横に振る。

「わからないけど、あの中からあの杖と同じような匂いがしたから」

「え、リザブ村から持ってきた魔杖のこと?」

 キラは、コクリと頷いた。

 

 シンは、キラの嗅覚能力に感嘆した。

 と、同時に城の中にエリーシアの存在をより強く感じることができた。



 シンは、正面から入ることは諦めるしかなかった。騒ぎを起こす訳にもいかない。城周囲をめぐり別の場所から侵入することも考えたが、魔道障壁が隙間なく張り巡らされているのが視えたので、諦めた。


「流石は、サンタモニカ・クローゼのいる城だ。迂闊には忍び込めないか。一層・・・」

 

 シンは、ここカラミーアの軍師であり魔導士である者の名を口にした。




 夕暮れが近くなっていた。


「今日は諦めよう。もう一つ行く所がある」

 シンは、ずっと文句一つ言わず一緒に歩いているキラを見た。


 キラを保護してもらうことだ。


 しかし、キラは普通の女の子ではない。

 キラの戦闘能力の高さを知ってしまった。また、何も告げていないのにシンが探している少女エリーシアの所在を探り当てた。これら彼女の能力が悪用されれば、キラは幸せにはなれない。


「取りあえず、行ってみよう」

 シンは、悩みつつも宿屋で聞いた身寄りのない子供を保護している養護施設に向かうことにした。


 それは、アマルフィ国教会が運営している施設で、街はずれの教会に併設された施設だった。



こうの取りの巣』

 と看板を掲げていた。


 養護施設の門を潜ると、中に案内され、黒と白の牧師風の衣装を身につけた男の施設長と話すことができた。


「えーと、この子を保護して欲しいと?」

 施設長は、シンの横に座るキラを繫々と見た。

 キラは、何も喋らずシンにもたれ掛かり大人しく座っていた。

「あなたは、この子がどんな子かわかっているんですか?」

「え?どういうことでしょうか?」

「私も子供を見るのは初めてだが、この子は、獣人族の中でも傭兵を数多く輩出する戦闘民族の子ですよ。その黄色い眼に紡錘型の黒い瞳と狐のような三角の耳。間違いないでしょう。」

「フォックストロット族?」

「ええ。アマルフィでは、それほど見ないと思いますが、西の辺境地域やルーマー帝国などでは、傭兵として重用されているようですよ。フォックストロット族は、幼少時に絶壁から谷に突き落とし這い上がって来れた子だけを育てるという。さらに過酷な訓練を課し耐え抜いた子供のみ傭兵とするようです。なので、彼らは恐ろしいほどの戦闘能力を子供のうちから身につけていると聞きますよ。あなたも一緒にいたならこの子の能力に気づいていたのでは?」

「はい、まあ・・・・」


(そうか。だからキラは、苦も無く人を・・・)


「申し訳ないですが、この子はうちでは預かれません。フォックストロット族は脱走者を許さないと聞きます。もう、この子を連れ戻そうとフォックストロット族も動いているかもしれない。あなたこそ、大丈夫ですか?」

 

 シンは、キラの出自を知ることができた。

 では、キラをフォックストロット族かれらに返すのが良いのか?

 いや、それはダメだ。

 キラは逃げて来たのだろう。


 いつの間にか、キラは、シンの膝の上に頭を乗せ横になっていた。



「色々教えていただきまして、ありがとうございました。僕はキラこのこと出会ったんです。それは偶然ではないと思うんです。なら、彼女が自由に羽ばたけるようにしてあげたいんです。だから、彼女の仲間かもしれませんが、そのフォックストロット族にキラこのこを引き渡すことは絶対しません。引き渡せば、戦争の道具にされるでしょう。それだけは、絶対に避けたいんです」

 シンは、キラの頭を優しく撫でると、歩き疲れたのかキラはウトウトしていた。


「そんなことを言って大丈夫なんですか?フォックストロット族は情け容赦のない連中ですよ」

「僕は、こう見えても騎士です。助けを求めて来た人を見放すことはできません」

「そうですか。では、これ以上は言いますまい。あなたのご無事をお祈りいたしましょう」

 施設長の牧師は、シンのために十字を切った。

「ありがとうございます」

 シンは頭を下げた。



 シンとキラは、施設を後にした。もうすっかり暗くなっていたが、市場の方からは、賑わいの喧騒が聞こえて来た。




 ヒューーーーーーーーーーーーーーーーッ、バン、バンバンッ!

 

 見上げると、空に花火が華開いた。


 グルグルグル・・・・。


 キラのお腹が鳴り、キラの顔が赤くなった。

「フフフ、お腹空いたね。市場に行って何か食べようか?」

 シンはキラに笑顔を向ける。


「キラは、シンの傍にいてもいいの?」

 キラが不安そうにシンを見上げた。

 シンは、身を屈めて、キラの頭を撫でる。

「キラ、君が身を寄せられるところを見つけるまで、僕が君の面倒を見るし、君を守る。君が望まない所に君を遣りはしない。僕を信じてくれるかい?」

「シン!キラは、シンのものだから一緒にいさせて」

 キラは、シンの首筋に抱きつき、微かに震えていた。

 シンは、今はキラの想いを受け止めようと思った。




 二人は、市場広場マーケットプレイスに着いた。

 すごい人でごった返していた。


「すごい熱気だな」

 キラが、美味しそうな匂いのするお店がいっぱい並んでいるのに目を輝かせる。

「シン、キラ何でも食べていいの?」

「そうだね」

 キラは、お店に駆けだした。

「シン、キラこれ食べたい!」

 棒に加工調理された肉(フランクフルトみたいなもの)を差したお店の前まで走ると、指を差し飛び跳ねている。

「お一つください。おいくらですか?」

 シンが、ローブの下の腰のポーチからお金を出そうとする。

「今日は、お代はいらないよ。伯爵さまが出してくれるからね。はいよ。嬢ちゃん」

 髭面の男の店主が赤いソースをたっぷりつけて差し出す。キラは、眼を輝かせ、それを頬張ると、その味に震えて喜び、あっという間に平らげた。

「ははは、旨かったか。嬢ちゃんの食べっぷり気に入ったぜ。こいつも持って行きな。美味いぞ」

 紙の袋に揚げた衣の中にジャガイモを香辛料で味付けしたもの(コロッケのようなもの)を差し出す。

 キラが袋から出し、かぶりつく。

 

 が、

「アフッ、アフッ、アフッ・・」

 コロッケはアツアツだった。

 しかし、キラは猫舌だった。

 キラは舌が火傷しそうになり、涙が溢れた。


「慌てて食べるからだよ」

 シンがハンカチで涙を拭いてあげる。


(こうしてみれば、年相応の少女なのだが、切れると、恐ろしいほどの戦闘能力を発揮する)




「え?」


 そんな中、急に、街中にある気配を感じた。


 ドクン、ドクン・・・

 シンの心臓が高鳴り出す。 



「この感じ。エリーシア様が、街に出て来た?どこだ?」

 周囲を見渡すがハッキリとわからない。

 集中するが薄灰色の帯はどこにも見えない


「クっ!」

 シンは苛立ちをみせた。




 この時、シンの後の露店の向こう側のリンゴ飴屋で、スフィーティアとエリーシアがリンゴ飴を買っており、店の人に正体がバレそうになり、二人は足早にその場を離れていたのだ。※


(※このシーンは第32話「戦勝に沸く領都まち」とリンクしています。)


 しかし、こんなにも近くにいたのだが、シンは気づけなかった。


 何故?

 

 散々探し回ったが見つからなかった。

「どうして、帯が見えない!間違いなくあの感じは、エリーシア様なのに」

 シンは自分を責めた。



 その時、市場に面したある飲食店から一際ガヤガヤとした喧騒が沸き起こった。


「おい、剣聖スフィーティア様が『ウナメラ・ロッサ』にいるってよ」

 そんな声があちこちから聞こえ始め、店の方に住民が殺到していく。


 『ウナメラ・ロッサ』

 カラミーア郷土料理を振舞う人気のレストランだ。



「剣聖スフィーティア・・・」

 シンも、住民が取り囲むように群れる店の方に走った。


「感じる!」

 シンには、店の中にエリーシアの気配を感じた。いや、その気配はシンがまだアトス・ラ・フェールの元で修行をしていた子供の頃一度だけ会ったことがあった皇女マリー・ノエルに似た気配だ。


「どいてください」

 シンは人々をかき分けて進もうとする。

「なんだ、お前は?」

「割り込もうとするんじゃないよ」

「そうだ、みんなスフィーティア様を人目拝もうとしいてるんだぞ」

「そ、そうじゃなくて、僕は!」

 しかし、シンは住民等の抵抗を受け、中々前に進めない。



 それでも、諦めず、文句を言われながらも、かき分けて前に進もうとする。そのうち、前の連中が店の中になだれ込むと、シンも店の前まで押し出されるように来れた。


「なんだよ、あんたたちは!」

 店の女将なのだろう。女性の大きな声が聞こえる。

「おソノさんよ、ここに剣聖スフィーティア様がいただろ。どこだ?」

「そんなお偉いさんがこんなところに来るわけないだろう。気のせいさ。さあさあ、さっさと来た方向に戻りな」

「いいから、どけ!」 


 そんな店の中に入った男の声が聞こえたと思ったら、ソノさんの怒声が聞こえて来た。

「誰もいやしないよ。客じゃないなら、とっとと出て行きな。衛兵を呼ぶよ!」

「まあまあ、ソノさんよ、今日は無礼講ということで」

「うるさい!さっさと出て行きな!」

 客でない住民等はソノさんの剣幕に恐れをなして逃げ出すように店から出て来た。



「あの・・・」

 シンは、住民が去り、落ち着いた店の中に入り、ソノさんに声をかける。

「ああ、何だい?」

 テーブルの食器を下げようとしていたソノさんは不機嫌そうに振り向くが・・・。

「まあ、これは、良い男だねえ」

 シンを見て急に声のトーンが柔らかくなり、コロコロとした笑みを向ける。

「お客さんかい?空いてるお席にどうぞ」

「いえ、人を探していて。このような少女を見ませんでしたか?」

 シンは、アーツアンカイトにより念写された紙を見せる。長い灰色髪の少女がボヤっと写っている。

「・・・。さあ、知らないね。悪いけど、あんたも客じゃないなら、帰ってくれないかい」

 ソノさんは、落ち着いた声で答えるが、シンは裏口を見ていた。

「すいません、ありがとうございました」



 シンは、店を正面入り口から走るように出ると、店の裏口の方に走った。しかし、このあたりの建物は密集しており、裏に回る隙間を探すが、見つからない。結局このブロックの端の通りから裏の細道に出て、『ウナメラ・ロッサ』の裏口に回った。

 

 シンは、屋根の上を見つめる。

 屋根に飛び上がるが、誰もいなかった。



「何故、帯が視えない?エリーシア様の魔力が消えた。いや、消されたのか。こんなことができるのは、・・・」


「・・彼女しかいない」

 シンは、篝火があちこちに灯るカラムンド城の方を見上げた。



「シン、うふぁーは」

 いつの間にか、横にキラがいて、眠そうに欠伸をしている。

 シンは急に声をかけられ、少し驚いた。


 しかし、シンは気持ちを切り替えた。

「キラ、ごめんね。放っておいて。宿屋に戻ろうか」


 シンは、未練を残しつつもキラの手を取り、宿屋に向かった。

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