第34話 口移しのキス

「そろそろ帰った方がいい 二人とも」アジェンダが声をかける

「はいアジェンダ様 では私は失礼します」クイン

「では私もアジェ様」リュース公ヴェントレ そうして二人の側近達が立ち去る


「薬を飲ませないと」アジェンダはアリシアから薬を受け取り

そっとサリューンを揺すり起こす

「大丈夫か?さあ、水と薬だ」アジェンダ王

しかし、サリューンは夢うつつ状態で無反応

「仕方ない…」アジェンダはそう言うと口移しで薬を飲ませた


「ぎゃあひ~ん!!い、いやあ~ん!!素敵♪絵になってるぅ」アリシアの心の声

同士である女官二人も同じ反応である

女官の一人と少年が部屋に入ってきて寝間着と着替えを持って来たが

丁度、その口移し、キスの場面を見て、驚き瞳を見開いていた


「アジェンダ様が彼に酔い醒ましの薬を飲ませたの」思わず説明してしまうアリシア

「あ、そうですか」

サリューンの家来の少年 サリューンより年上の姿で美形、彼は納得する


「あら、貴方…何処かで会わなかったかしら?」怪訝な顔をして

寝間着と着替えを持ってきた少年を見つめるアリシア姫


「う、いえ、初めてお逢いします…うふ~僕はアラシャと言います」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る