第35話 黒猫の少年アラシャ

先程の酔い潰れたサリューンが

アジェンダ王に口移しで薬を飲まされたのを見て驚いた彼の召使のアラシャ

てきぱきと手際よくサリューンの世話をしていたが


「あら…アラシャさん

その頭のターバンご免なさい触っていい?気になるわ」アリシア

「あ!それは」パラリとターバンが床に落ちる

「ああ!」焦るアラシャ


アラシャの頭 黒猫耳が現れた 肩程より少し短い程度の長さの黒髪も揺れる

「い!!」慌てまくっているアラシャ

「そなた…見た事がない種族 何者だ?」アジェンダ

「あ…僕は遠い異国の者です うふ~宜しくお願いいたします」アラシャ


「もういいか…うふふ」

黒猫のアラシャ 服に隠してた黒いしっぼが現れた

「で…サリューン様 酔ちゃいましたね ご迷惑おかけします」


「僕が抱き上げます 何処に運びますか? 

なんなら 僕らのサリューン様の部屋まで抱き抱えますけど」黒猫の獣人アラシャ 黒い尻尾がパタパタ

「いや こちらで預かる…私の部屋に」アジェンダ 

「はい王様 では…」黒猫のアラシャ


立ち去り際のすれ違い

アラシャもアリシアの耳元で日本語で話す

「お久しぶりん 僕のアリサ

最初の前世の姿はとても可愛い 最後の転生の姿もいいよん」


「僕もアリサ、アリシア姫の味方 大事な僕らの宝物

僕は時々しか居られないけど 大事な時には守るから」

「サリューン様はあの人は嫌がるけど すでに僕のもの うふふ~」


「まあ、どうやらアジェンダ様にしばらくは渡す事になりそうだけどね

その事でサリューン様を沢山、苛めるから いいか…クスクスっ」

「ねぇ…アリシア姫、サリューン様の本当の名前、早く思い出してね」


「え…今の どういう意味?」アリシアは戸惑うばかり

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