第33話 食事とお酒に漬けた果実
「どうした?ヴァインズ子爵
私にも、もう少し良いか?」アジェンダが微笑む
「はい!」慌ててケーキやらお菓子をてんこ盛りにする
手が偶然、触れ二人は頭の中に白い光が走り、互いに赤くなる
「目眩に手が痺れたドキドキする 何か変だ…あちらも同じか」
サリューンはアジェンダの様子を見ながら思った
「子爵様 私が代わります」女官が代わる
「有難う 頼みます」笑顔にさりげなく悩殺的な笑みのサリューン
真っ赤になりながら女官がお菓子を配ったり
お茶をついだりしてリュース公ヴェントレが会話を始め 愉しく盛り上る
サリューンとアジェンダのチェスの勝負
引き分けか彼の勝ち
遅くなったので夕食も皆で食べようと言う話になった
「何が食べたい?ヴァインズ子爵」
「サリューンと良ければ 今後はお呼び下さいアジェンダ王様 皆様も…」
「私は…」サリューンが希望を言おうとすると
「じゃがいものポタージュ
お粥かパン粥に野菜のサラダにリンゴのコンポート」ぽつりとアリシアが言う
「アリシア姫?」
不思議そうにアジェンダやヴェントレ達が彼女を見る
じっと…アリシアはサリューンを見ている
彼サリューンは黙ってアリシアを微笑みながら見ている
静かにアリシアの心に話しかける
「アリサ…今は他の人達がいるから これからは、しばらくは俺は此処にいる
だから…心をアリシア姫に戻すんだアリサ 来世に逢える俺の大事なアリサ」
口に出さず 静かに心に話しかけるサリューン その後 会話を続ける
「アリシア姫は私の希望を言ってくれました
有難うございます」サリューン
「そんな食事でいいのか?サリューン」アジェンダ
「はい!ふふ」サリューン
食事が済み、甘い酒や珍しい果実が皆に配られる
テーブルの上に置かれた甘いデザートの果実の実‥
しかし
「これは…」サリューン
「異国のワイントの実ですハチミツ酒とデアドラ酒に漬けた物ですよサリューン殿 皆様もどうぞ」ヴェントレが微笑む
「デアドラ酒はかなり強い酒でしたね」サリューン
「ええ…飲みたいですか?サリューン様」アリシアが微笑む
皆が好きな果実で人気のある流行りのもの
「あ!!いえ」サリューンは答えた
「美味しいですわ お酒も果実も」
嬉しそうに果実を沢山食べるアリシア
少し心配そうに僅かに酒を飲み、果実を食べるサリューン
間もなく…真っ赤になる
「サリューン殿 もしや酒に弱かったのか」ヴェントレやクイン
「遠慮せずと良かったのに」アジェンダ
「大丈夫ですか?」アリシアが心配そうに聞く
普通の者や子供でも酔わない代物だったが…
体が弱くなり酒には弱い 彼には効果絶大
「あ…大丈夫です では…そろそろ失礼します」
「あ…あ」サリューン
しかし、バタリと倒れかけて そのまま気を失う
慌ててアジェンダがサリューンを抱き上げる
「私の隣の部屋に寝かせよう 準備させよ」
「彼サリューンの側使いや女官に 事情を連絡を
それから寝巻きに着替えを持って来てもらってくれ」アジェンダの指示
「あ!!はい 只今…」女官の一人が対応する
「一先ず、そこのソファーに寝かせるか」
アジェンダがサリューンを軽々と抱き上げるとソファーに寝かせ薄い毛布をかける
頬が紅潮して少し苦し気で
色ぼい寝顔である
皆様、なんとはなしに赤くなる
「あ!お水や酔い醒ましの薬を準備して参ります」
慌ててアリシアがその場から離れる
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