第12話 アジェンダとクイン 会話劇

「アジェンダ王さま 戦の小競り合い その報告が入ってます」


「東の国境での小競り合いですが 村の2つが犠牲になりました

住民の多くはどうにか、無事に救い出しました」側近のクイン


「では、私からの指示だ」クインの報告に指示を出すアジェンダ


「重傷者や孤児 老人などは 母と私が創設した癒しの神殿に

預けるがいい それと医術などに秀でた者達を東へ」アジェンダ

「他の報告は?」アジェンダ


「今の処、小康状態です 敵国、白の国でも内乱が多発しているそうです」クイン


「わかった 白の国の宗主シューツオンは狂王となったからな」

軽くため息をつくアジェンダ


「ところで・・」「はい」

「それから 姫の事だが姫の家庭教師も必要だ」アジェンダ


「はい 王」クイン


「王様 テイエスの花のお茶をお持ちしました

それとお薬も・・」今度は女官の一人


「ああ、有難う」アジェンダ


「発情期の発作を抑える薬ですか

必要なら 一流の高級娼婦なども呼び寄せますが」クイン


「祖父になる先々代の黄金の黒の王の御趣味は・・同性の方で」


「理解はする だが・・」「それなら子供が生まれる事もない」

半開きの瞳で宙を漂い見ながら答えるアジェンダ


「確かに 発情期になった者達の騒動や事件は多い 正気を失う事も

その事で怯える妻などもいる」


「長年 薬や茶に頼りがちだな」ため息をもう一つ アジェンダ


アジェンダ 彼の追憶が頭をよぎる 切ない想い出ばかり

「・・・私が愛した白の国、白の姫、妖精のような儚げなリーヴニア姫は

彼女の婚約者だった私の従弟のアラムと共に 自害した」


「私が母、エルテア女王を毒殺され、妹シルフイニア王女を白の宗主に惨殺されて 

敵国の人質だった彼女と弟のようなアラムを追い詰めてしまった」


「この世界にいた もう一人の片眼の火焔の瞳 私のアラム

それに美しいリーヴニア姫」


「・・・必要ない アリシア姫といずれ婚姻する」


「アリシア姫を側室に?」クイン


「彼女は王族の血を引いてる 日陰の立場にはしない」


「しかし それは 

やはり問題になると思います 周りの大貴族が・・

それに発情期の発作は・・」


「・・・敵を数百人程 殺せば おさまる」アジェンダ


「王・・・」クイン 

「話は一先ず、此処までとしようか 後は頼んだぞクイン」アジェンダ



そして次の日の朝


アリシアの方は

早速、次々と訪れた王室御用達の商人達が

持参した数々の高価な品物の山に

ただただ、驚いて…どうしていいか、分からずに戸惑っていた


今回は女官達が気を利かせ それぞれ品物を見定め選んでゆく


絵を描くのが好きなアリシア 

父の罪に巻き込まれ 奴隷になる前は母に手習いしてもらっていた


絵の道具や紙などは、扱える画材をアリシアから

女官が聞いて、商人と相談して決めた



本の山にも…同じく アリシアは混乱気味


やはり女官達が選んでゆく。

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